レッスンの指導方針をまとめてみました。
ピアノレッスンは保護者の方の粘り強さがもっとも必要な習い事の一つです。
ピアノの真の面白さや技術の習得というところに達するには、なるべく長期間ピアノに関わっていくことが必要です。
例え半年に1回でも、年に1回になってもレッスンを継続することができれば、技術はキープされ上達もしていきます。一朝一夕に結果が出てこないからこそ、ピアノは魅惑的なのかもしれません。
『子供を習わせる上での心構え(楽器)』
どんな人であっても疲れたり、やる気が出ず休憩が必要なことがあります。また、他のことに興味を惹かれてピアノに向かわなくなることもあります。
そこで時々起こるもっとも残念な対応は、早々に保護者の方が見切りをつけて「やめさせてしまう」ことです。これでは、そこまでにかけてきた時間、労力とお金が一気に水の泡となってしまいます。
大損した上にさらに子供にとって教育上の悪影響があります。
『いつも一生懸命やらなければ続けることはできないのだ』と思ってしまうことです。
寄り道したり休憩できず、いつも目の前を向いて歩かなければならない。
そんなことをやりたい人がいるでしょうか。
大切にするのは、快適に続けていける方法を探すこと。
そのためのお手伝いはもちろんさせて頂きます。
『練習について』
気分が乗らなかったり疲れて休憩したい子供には決して無理強いしないでください。
お家での練習で本人のやる気が起きないときはその日はあきらめて次回取り組みましょう。
やる気が起きない時は、わがままや怠惰なわけではなく必ず原因があります。
学校の生活や宿題ですでに疲れてしまって余裕のないお子さんは非常に多いです。
このようなケースでは、お家では元気な時のみ練習し、練習はレッスンに任せる、ということもできます。
少ないかな?全然やってないのでは?と思ってしまうような取り組みでも、続けて頂ければ確実に上達します。
本人がピアノを『やらされている』と感じて練習する場合、その時は一時的に上達したりなどして良いように見えても、特に思春期以降に抑圧された感情が出てきます。
もちろん時がくれば「親の言うことは聞きたくな〜い!」と言うようなことは自然に出てきますが、それを超えた大きな葛藤や緊張感が子供自身を苦しめるようになってしまいます。
とても難しいのですが自分の意思でやっていると感じることができるように声がけができたら素晴らしいです。声がけに迷った場合には何なりとご相談ください。
教育とは『人生におけるもっとも贅沢な時間の無駄遣い』だと思っています。
ただ、何をするわけでなく自然に身を委ねて草木を見たり風を感じたりするだけで脳は活性化します。
楽な気持ちで子供と向き合い、何をやっているわけでもないたくさんの贅沢な隙間の時間もぜひ尊重してください。
休憩しているとき、何もやっていないように見える時に神経細胞は結合を深め、人の能力は高まります。
そこも含めたとても長い長いプロセスの中に子供を置いて遊ばせることができたら、子供は伸び伸びと自分の本来の力を使って成長していけるでしょう。
少し脱線ですが、ゲームや動画などIT機器を使うことは、休憩にはあたらないことを覚えていてください。
IT機器をみるときの目の動きは自然にものをみるときと全く違います。全身の筋肉にを固くし、自律神経を狂わせます。
現時点で困ることが出てこなくても、イライラ、不眠、落ち着きのなさなどの自律神経失調状態、姿勢の悪さからの体の痛みなどが必ず出てきます。
私の自閉症の息子は、最近は朝15分のみ、夜は15分のみの視聴時間です。昼間の時間帯は学校におり、そこで授業中にタブレットなど使うことも時々あるようですが長時間はやっていません。
神経の障害である発達障害を持つ場合は特に、IT機器によって神経系のバランスを崩しやすいです。
耳の痛い親御さんも多いと思いますが、頭の隅に置いて頂ければと思います。
かくいう私の息子はすでに5歳にしてIT依存になり、小学2年くらいまで依存から脱出するのに本当に大変でしたが、現在はIT機器をうまくコントロールできています。
IT機器はお酒と同じです。
ちょこっとする、飲むのなら、多くの情報を得たり、勉強がはかどったり、体に良い影響(お酒)がありますがそれが多すぎて依存になると話は違ってきます。
私がやったことは食事療法とフェルデンクライス、IT機器が将来体に与える悪影響を説明し続けたことでした。
相談がありましたらお気軽にお声がけください。
話を元に戻します。
レッスンについて、練習について何かわからないことがあれば気軽にご相談ください。
保護者の方と講師との教育方針が違っていると、子供の心身に良くありません。
気になること、ご不明な点がありましたらそのままにせず、ぜひお声がけください。