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私のピアノ演奏における緊張の歴史と改善方法(歴史編)

グッと冷え込んできましたね!講師のかなざわです。11月に発表会を終え、ようやく落ち着いた日々が戻ってきました。本番を経験すると緊張について気になる生徒さんが一時的に多くなります。私の緊張の歴史と改善方法について書きたいと思います。

まず最初に言いますが、緊張は悪いものではありません。

人としての当然の反応です。

緊張するから弱い人なのでも勇気がないのでもありません。

緊張しても弾ける、そういう弾き方ができるようになることが必要です。

それでは私の緊張の歴史について時系列で書いていきます。

 

小学2年生のピアノコンクールで初めて「緊張でボロボロになる」という経験をします。

この時から今まで通してですが、ピアノ以外のことについては緊張に関して困ったことはありません。

おそらく、あまりうまくいってない時があっても気になっていないのだと思います。(ピアノ以外のことはどうでもいいと思っている。)

 

このコンクールは、予選と本選しか存在せず、予選を通ることが難しいコンクールでしたが先生も親も当然通るだろうと思っていたようです。

その時はとにかく手が冷たく、舞台を歩く足の裏がふわふわした感じがし、弾く手が麻痺した感じだったのを覚えています。

そして落選〜。

さらに母に「本番で力を出せないならピアノなんかやめなさい!」とかなり怒られました。

当時8歳の私に母がひどすぎの対応ですが、こういう時代だったと片付けましょう。

この時に「本番でうまく弾かなくてはいけない」という気持ちが強くなります。

 

ちなみに本番ではありませんが、ピアノの先生が「超」怖い方だったためレッスンのたびに震えるほど緊張していました。

そして、レッスンの始めに弾く演奏は必ずと言っていいほどうまくいかず、怒られるところから始まるレッスンでした。

 

小学5年生の発表会では、弾く前からだいぶ緊張していて姉に

「もう嫌だ、逃げたい」と話したところ

「観客席をひまわり畑だと思えばいいらしいよ」

ともっともなようで、全く解決策でないコメントをもらいました。

 

素直(だった)私は、舞台に出て行く時に

「ひまわり畑、ひまわり畑」とイメージしながら出ていきました。

当然ひまわり畑には見えず、小学2年の悪夢と同じような感覚になりました。

しかし、いつもの倍くらいのスピードになったにも関わらず1回のミスもなく、弾き切りました。

シューベルトの即興曲を弾きましたが、みんなに上手だったねと褒められました。

この曲です↓この方より速く弾いたと思います。(速いのがいいわけではありません)

今思えば、よく弾けていたので緊張で崩れることはなかったのだと思います。

よく、緊張したからダメになったという話を聞きますが、本当に良い弾き方で弾いていればボロボロになるということはありません。

でも練習をたくさんしたとか、練習で何回弾いても1回も間違えないとか、そういうことでは解決できないのです。

 

中学生になっても本番のたびにうまくいかない日々が続きました。

私はピアノで生きていこうと決めていたので、本番でうまくいくためにその時に考えられることはいろいろ試しました。

 

普通に誰かが考えることはほぼやっていると思います。

しかしどれも効果はありませんでした。

 

中学3年で、とある難関音楽高校を受験しますが落ちました。

この時も周りはみんな受かると思っていたようで、私はこんなに緊張して弾けるわけないだろうと考えていたので当然の結果だったのですが、本番で弾けない自己イメージが定着し、どうしたら抜け出せるのか、迷路に迷い込んだ気分でした。

 

高校1年の時、皇后雅子様の主治医として有名な精神科医の大野先生のところに通うようになります。

当時は慶應大学病院で診療されており、2ヶ月に1回くらい通っていたと思います。

早稲田大学の心理学部で学んでいた姉の「つて」で紹介してもらった先生でした。

 

高校生で自ら精神科に(一人で)通ってるのって結構変わってますよね。

精神科に偏見を持ってる方がいまだにいらっしゃいますが、一度行ってみてください。普通の病院です。

 

のほほんとした印象の先生で、

「緊張して本当に困っているんです」

という私に

「若いから薬は使いたくないよね」

とおっしゃり、自己催眠療法を紹介してくれました。

その催眠療法のセンターは横浜にありました。

うちから片道3時間半くらいです。。。

とにかく克服したかったので、2年くらい通いましたが効果はありませんでした。

遠すぎて2週間に1回くらいしか通えなかったのもよくなかったと思います。

今考えてみると効果がでない療法ではなかったと思います。

 

大野先生を紹介してくれた姉は、認知行動療法というのを中心に学んでおり、そういう系列の本が部屋が埋まるほどありました。

興味深い内容のものばかりだったので、本の中に紹介されている事例のようなものも、ほぼ全て自分でレッスンや本番のたびに試しました。

が、撃沈の日々。

姉からも、心理学部の論文のネタとしていろんなことをされましたが、効果なし。

 

大野先生以外にも、5箇所くらい精神科に行きました。

 

大学受験では例のごとく極度の緊張でほとんど弾けませんでした。

志望の学部には入れませんでしたが、音大には入学しました。

 

学内で1年ごとに志望の学部に入るオーディションというのが2年間だけありました。2回受けたのですが、いつも半分くらいの力しか出せていない感覚でした。

そんな状態で志望学部に移れるはずはなく、私は大学2年の時に、ピアノでやっていくのは難しいのかもしれない、と考えました。

 

そして卒業し、音楽とは関係ない一般企業に就職しました。

企業内で必要とされるパフォーマンスには全く問題を感じませんでした。

人事部で働いていたので、100人以上の社員や、株主の前でスピーチする、というようなこともありましたが、難なくこなしました。

緊張はしているのですが、ピアノほど顕著に質が問われないので何て楽な世界なんだろうと思っていました。

(大変なのは人間関係でした)

 

そうして緊張ということから離れた私でしたが、紆余曲折の結果またピアノに戻ってきます。

相変わらず本番はめまいのするような緊張でした。

そして今までの適切でないピアノ練習の蓄積と、いつでも頑張ってしまっていた生活上のあらゆることに、体が全力で「もう嫌!!」と言ったのでしょう。

フォーカルジストニアという難治性の指の病気で左手がうまく使えなくなります。

 

でも人生とは面白いもので、フォーカルジストニアを治したくて始めたフェルデンクライスメソッドが、人生をかけて困っていた緊張から解き放ってくれるものだと気づきます。

 

次回は、緊張でピアノが弾けなくなるプロセスや改善方法について書いていきます。

 

 


生徒さん募集状況

以下、2020年12月の状況です。

 

『子供のレッスン』『発達障がいその他の障がいのお子さまのレッスン』:今年度の募集を終了しました。空きが出ましたらお知らせいたします。

『大人のレッスン』『面談セッション』:月に1回〜2回程度であればお受けできます。(単発のレッスンのみとなります)

 

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指導にあたって

当時、講師かなざわの1歳の息子がピアノで楽しそうに遊ぶ姿に感激しました。これは、その当時のかなざわにとってピアノは『楽しい』ものではなくなっていたからです。

 

人は本来、ピアノが楽しくないとか苦手だとは思いません。しかし、ピアノが苦手で楽しくないと感じ、結局は諦めてしまう人は多いのが現実です。それを変えたいという思いが、ピアノ教室を立ち上げる原点となりました。

 

お子様にピアノを習わせたい親御さんや、自分自身がピアノを学びたいと思っている大人の方々は、レッスンに何を期待されていますか?

私がピアノを習っていた当時は「上手い」ことが全てでした。

それは音大に入っても変わりませんでした。

 

しかし社会に出て「上手い」人に価値があるというわけではない、ということがわかりました。

それはとてもショッキングなことでした。

そこにたどり着けば上手くいくものだと思って努力していたからです。

これは勉強,就職に対する考え方と同じだと思います。

 

『上手い』演奏は目指しません。

ピアノレッスンそして練習というプロセスを通して『質の良い学び方』を学びます。

「結果」は、『学んだ』後に勝手についてきます。

練習、学びの質が良ければ自然と「上手い」演奏になるかもしれません。

 

 私が準備できるのは、まずは何度でも間違えられる、どのような弾き方でも批判を受けない、つまり「安全だ」と感じる環境を作り生徒さんが本来の力を出せるようお手伝いをすることです。

音楽は非常に歴史が深く人間の叡智が宿っています。

それを演奏する楽しさというのは格別です。

しかし、やり方を誤ると体を傷つけます。

 

私自身が、小学校高学年の頃から体の痛みに苦しめられることになりました。

30代を過ぎてからは治療法の確立されていないフォーカルジストニアという脳神経の難病を発症しています。

痛みや病気の発生はその取り組み方にありました。

 

努力や根性、厳しい訓練がもたらす弊害を、ジストニアをきっかけに始めたメソッド「フェルデンクライス」から学びました。

フェルデンクライスは脳の可塑性を利用した科学的なメソッドです。

動きを通して脳を活性化します。

 

根性論でなく、何か有名な教育書に書かれているからでもなく、ただ脳がどのようにしたら活性化するのか、よりよく学べるのか、それをフェルデンクライスは体験をもとに気づかせてくれます。

 

私の指導の源はそこにあります。

指導とは、その演奏を成しとげるための『新しい選択肢』を提示するものです。

『理想』はおしつけません。

一人ひとりに寄り添い、 その人らしい演奏を尊重します。

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年度替わりの際に、進学等により多少の空きが出ることがありますが、ほぼ定員いっぱいで、生徒さんを増やすことがなかなかできない状況です。

 

従来の精神論に頼らない科学的な根拠に基づいた指導法をもっと広げ、本質的な意味で生徒さんの人生の質をあげることに貢献していきたいと考えています。

 

そこで、指導方針に共感し、一緒に教室の運営に携わってくださるピアノ講師の方を募集します。

 

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