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今は非効率な学びを選ばないけど昔は選びまくりだった話

ただの反復練習や、疲れたりがんばったりする学習方法では非効率だと言いまくっている私ですが、フェルデンクライス・メソッドを学ぶ35歳以前は、このことに全く気づかず、むしろやってるほうでした。過去に2回気づく機会があったのに。。。

フェルデンクライス・メソッドの体験を元にして、解剖学や進化発生学、心理学や子供の発達など様々なことを学んだ結果、自信を持って言えることがあります。

「学習の効率を上げ、脳の活性化を促すために必要な方法とは、楽であること。少し違う刺激を与え続けること(工夫すること)」

です。

 

こんなことをえらそうに言っている私ですが、35歳以前はまさに「がんばる、辛くてもやる、痛いほうがきっと学べている、たくさん練習や勉強をすればきっと願いはかなう」

と思っていたアホな人間でした。

 

今思えば、その学習方法は変える必要があることに気づくきっかけは2回ありました。

 

【一つ目:高校3年大学受験のとき】

志望校に受かりたいと思い、平日は家に帰ってから5時間、休みの日は8時間くらい練習していました。

努力すればなんとかなる、反復練習すればうまくなると思っていました。

そのときにスクリャービンという作曲家のソナタ第5番という、難曲を弾いていました。

でも、がんばっていると思っている自分の気持ちとは裏腹に、先生からは

「下手くそ。これくらいなら小学生でも、いや幼稚園児でも弾ける」

「田舎へ帰ってピアノなんかやめてしまいなさい」

「はあ(ため息のみ)」でレッスン終了とか。。。

 

私は、努力してもかなわないものってあるんだな、努力すれば叶うって教えられてきたけど違うじゃないかと感じていました。

 

ある時、練習方法を変えてみました。

ほぼ反復をしているところから、練習方法を自分で考え出していろいろやってみたのです。

その練習をしてから、次のレッスンでは

「ずいぶんよくなったわね。」

と言われました。

そしてその曲を弾いて、あるコンクールで全国大会入選を果たしました。

後でわかったことですが、そのコンクールを運営している友だちによると高校の部がもっとも難しいのだそうです。みんな大学受験のために使う曲をもってきているので、そりゃあそうですよね。

 

全国大会に残った子たちは、後に世界的なピアニストになる人もいたり、過半数が東京芸大や東京音楽大学の演奏家コースに行くという、まさに音楽の天才たちでした。

 

そこで私がした《誤った学習》は「がんばれば叶う」ということでした。

 

【2つ目:『社会保険労務士』という国家資格を会社員をしながら26歳の時にとったとき】

今、この資格試験がどのようになっているのかはよく知らないのですが、当時は合格率8%くらいの狭き門でした。みんなが受かろうと必死で勉強している人たちの中の8%しか受からないということなので、けっこう難しい資格です。

 

1年に1度だけ試験がありました。

2年目までは、とにかく反復によって覚えようとしていました。会社員をしていたので、1日の勉強は3時間が精一杯でした。でも、全く結果に結びつきませんでした。専門学校で受ける模試などの結果も思うようではありませんでした。

 

3年目に、もうこれ以上この勉強はしたくないしひねり出すお金もない、勉強をさせてくれる環境もこれが最後だと思ったとき、勉強方法を変えました。

反復による勉強はやめ、問題を絵に書き出してみたり、一緒に勉強している友達に問題の意味を教えてみたり、時系列に並べてみたり、あと、自分が勉強していると思っていても全く頭に入っていないような時間を見つけ出し排除し、休める時間を増やして自分を楽にするようにしました。

具体的には会社が始まる前の1時間半しか頭に入らないことに気づき、毎朝会社近くのカフェに午前7時に行き、8時半まで勉強する、帰ってからは疲れているから勉強しないで休むことにしました。

 

その結果、みるみる理解が進み、専門学校ではいつも上位の成績を取り、国家試験も満点に近い成績で合格しました。

 

そして2度目の《誤った学習》、「がんばればなんとかなる」。

 

この2回の成功と呼べるものは、『工夫によって、脳を活性化させ、学習の効率性を高めたため』起こったものでした。

でも『がんばり』によるものだと勘違いしたわけです。

 

ここまできても気づかない私だったわけですが、その後に人生最大の困ったこと(息子の発達障がい、治療法が確立されていない手の病気)により、フェルデンクライス・メソッドを始めて、

よーーーーーーーーーーーーーーーーやく気づくことになりました。

 

日々レッスンをやっていると、がんばりや反復を信じている生徒さんがあまりにも多いことに気づきます。

そのように教えられて育っているので仕方がないのですが、私はそれとは逆を行く方法のほうがうまくいくことを自分の演奏や、息子の発達の様子、生徒さんの育ち方によって証明する必要があると考えていて、少しずつその結果はついてきていると感じています。

 

むしろ、特に大人にとっては「がんばらないこと」のほうが難しいんですよ。


1つ目の出来事(コンクール)で私の前に弾いた世界的なピアニスト松本和将さんの動画

世界的に評価の高い、絶賛活躍中のピアニスト、松本和将さん。

全国大会で私の前に弾いた方です。

姉や母が「さっちゃんの前に弾いた男の子がむちゃくちゃうまかった。ぼろぼろの靴履いてたのに。」と私を差し置いてほめちぎっていたのを覚えています。

 

1つ目の動画はコンサート、2つ目は同じ曲を講座でお話しながら弾いている動画です。

 

体の使い方がとにかく素晴らしく、響きが美しすぎる。

 

無駄な動きが全くなく、力みはなく、よくピアニストにありがちな、盛り上がるところにくると眉間にしわをよせたりとか、腕とか手首を変に動かして表現してる風にしたりとか一切なく、とにかく楽に弾いています。

 

この演奏を聴くと心の奥に突き刺さり、悲しい記憶や楽しい記憶がごちゃまぜに蘇るような感覚があります。

こういう弾き方なら体も痛めず、ピアノも喜び、自分も楽しく、そして聴いている人も楽で心地良いです。

目指すものの一つです。


【生徒さん募集&レッスン空き状況】

以下、2019年10月現在の状況です。

 

【館林教室】担当講師-松本りか

【行田教室】担当講師-金沢紗智

料金はこちら

指導にあたって

当時、講師かなざわの1歳の息子がピアノで楽しそうに遊ぶ姿に感激しました。これは、その当時のかなざわにとってピアノは『楽しい』ものではなくなっていたからです。

 

人は本来、ピアノが楽しくないとか苦手だとは思いません。しかし、ピアノが苦手で楽しくないと感じ、結局は諦めてしまう人は多いのが現実です。それを変えたいという思いが、ピアノ教室を立ち上げる原点となりました。

 

お子様にピアノを習わせたい親御さんや、自分自身がピアノを学びたいと思っている大人の方々は、レッスンに何を期待されていますか?

私がピアノを習っていた当時は「上手い」ことが全てでした。

それは音大に入っても変わりませんでした。

 

しかし社会に出て「上手い」人に価値があるというわけではない、ということがわかりました。

それはとてもショッキングなことでした。

そこにたどり着けば上手くいくものだと思って努力していたからです。

これは勉強,就職に対する考え方と同じだと思います。

 

『上手い』演奏は目指しません。

ピアノレッスンそして練習というプロセスを通して『質の良い学び方』を学びます。

「結果」は、『学んだ』後に勝手についてきます。

練習、学びの質が良ければ自然と「上手い」演奏になるかもしれません。

 

 私が準備できるのは、まずは何度でも間違えられる、どのような弾き方でも批判を受けない、つまり「安全だ」と感じる環境を作り生徒さんが本来の力を出せるようお手伝いをすることです。

音楽は非常に歴史が深く人間の叡智が宿っています。

それを演奏する楽しさというのは格別です。

しかし、やり方を誤ると体を傷つけます。

 

私自身が、小学校高学年の頃から体の痛みに苦しめられることになりました。

30代を過ぎてからは治療法の確立されていないフォーカルジストニアという脳神経の難病を発症しています。

痛みや病気の発生はその取り組み方にありました。

 

努力や根性、厳しい訓練がもたらす弊害を、ジストニアをきっかけに始めたメソッド「フェルデンクライス」から学びました。

フェルデンクライスは脳の可塑性を利用した科学的なメソッドです。

動きを通して脳を活性化します。

 

根性論でなく、何か有名な教育書に書かれているからでもなく、ただ脳がどのようにしたら活性化するのか、よりよく学べるのか、それをフェルデンクライスは体験をもとに気づかせてくれます。

 

私の指導の源はそこにあります。

指導とは、その演奏を成しとげるための『新しい選択肢』を提示するものです。

『理想』はおしつけません。

一人ひとりに寄り添い、 その人らしい演奏を尊重します。

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さちピアノ教室はおかげさまで、個人のピアノ教室としては異例のぶるいの多くの生徒さんを持ち、安定した運営を続けています。

 

年度替わりの際に、進学等により多少の空きが出ることがありますが、ほぼ定員いっぱいで、生徒さんを増やすことがなかなかできない状況です。

 

従来の精神論に頼らない科学的な根拠に基づいた指導法をもっと広げ、本質的な意味で生徒さんの人生の質をあげることに貢献していきたいと考えています。

 

そこで、指導方針に共感し、一緒に教室の運営に携わってくださるピアノ講師の方を募集します。

 

【条件】

  1. 音楽大学、普通高校の音楽科、もしくは音楽系の専門学校出身者。または子供の教育関連の学校出身者。
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