これまで『やる気』に関わる脳内メカニズムについて多くの研究が行われてきましたが、『やる気』を持続させる『根気』について詳細に行われた研究はなく、その脳内メカニズムは全く分かっていませんでした。これを慶應義塾大学医学部の研究グループが実験により明らかにしました。
元記事はこちらから。
「根気」(こんき)を生み出す脳内メカニズムの発見-粘り強さは海馬とセロトニンが制御する
記事は論文の内容が長いのでものすごく簡単に要約しますと、
「不安感があると根気が続かず、気分が安定した状態にあるほどやる気は継続する。」
ということでした。
これを元に、してはいけないけどやりがちな、親御さん(かなざわも含め)の声がけを思い出して見ます。
「練習しないとこれをやってあげないよ。」
「練習しないとこんなふうになってしまう。」
「習い事にはお金がかかっている。」
「練習しないならやめさせる。」
などなど。
上の声がけは「脅し」です。
不安にさせて練習させる場合、一瞬やる気が向上したかのように見えてもそれは長続きせず、むしろ長期的には悪影響を及ぼします。
私たち親の世代は、脅して何かをやらせられることが当たり前でした。
でもそのように脅されてどのように感じていましたか?
脅されると筋肉は不適切に収縮し、ピアノが思うように弾けないカラダになります。
さらには脅し文句をエスカレートさせなければ行動しない子どもに育つ可能性まであります。
大声で怒ってやらせたり、さらに大きな罰を用意することになります。
そんなの大変だし、そもそもやる気が続かず継続できない状態になってしまっては本末転倒です。
良い声がけは、
「練習するとこんなよいことがあるよ」
「練習するとお母さんがうれしい」
というような、こういう良いことがあなたに起きるからやろうよという言葉です。
(それですぐに実行に移してくれるかどうかは別ですが、そこで練習しないのであればまた明日、あさってやればいいのです。)
脅して何かやらせようとする親御さんを責めることができないのは「脅される」教育を、親自身が子どもの頃に受けているから。
かなざわもそうでした。
虐待と同じような連鎖が、虐待ほどひどくないけれど受け継がれてきました。
かなざわは精神論でなく、脳が欲すること、活性化することを目指して指導しています。
一般的に『優しい』と言ってもらえることが多いですが、優しいわけでも善人なわけでも甘いわけでもありません。
生徒さんがどのようにしたら幸せになれるのか、自己イメージがよくなるのか、それが核にあります。ピアノの上達は、後からついてきます。
フェルデンクライスの動きを毎日やっていると、体験として脳が喜ぶことがわかってきます。
科学的な研究結果をみて、「ああやっぱりな」と思います。
脅してやらせるのは、自分をもうひとり作るようなものです。
そのようなありきたりな教育法はここで終わりにしましょう。
大好きな学生時代の先輩のレッスンを何の脈絡もなく宣伝
全然近くないし、すごく交流があるわけでもないのですが、学生時代同じ先生の門下生で、幾度となく演奏を聴いた先輩です。
素晴らしい演奏家で、性格も毒舌キャラながら非常に優しくて大好きです。
近くに住んでいる方はぜひ!
【安嶋健太郎先生プロフィール】
東京音楽大学卒業、及び同大学研究生修了。在学中から多くのコンクールで入賞・入選を果たし、1998年にデビューリサイタルを開催。その後は国際音楽祭への出演を含め、多くの国内外の演奏家とも共演し、室内楽や伴奏においても高い評価を得ている。2008年には室内楽や協奏曲を含めた「デビュー10周年記念演奏会」、2013年にはベートーヴェンの3大ソナタ(悲愴、月光、熱情)を中心とした「デビュー15周年記念演奏会」を開催し、専門誌上でも好評を博した。後進の指導にも積極的に取り組んでおり、洗足学園音楽大学でピアノ科講師をつとめるほか、コンクール審査や専門家を志す学生を対象にしたマスタークラスなども行っており、門下生からは多くのコンクール入賞者、音楽大学合格者を輩出している。
現在までに長みさ、下野寛子、三浦捷子、大高智子、津田真理の各氏に師事。
たまたま安嶋先生の小学生のレッスンについての記事を見つけました。共感する内容でしたので以下ぜひお読みください。
最近は、幼児や小学生低学年を対象にしたコンクールも多く、小学生のお子さんを連れていらして、「早くコンクールに出られるようにして下さい。出場するだけでなく、出来れば良い成績を・・・」と仰る親御さんもいらっしゃいます。
けれど、良く考えてみて下さい。
大人になってから、「ワタシ、小さい頃は上手だったのよ!」という人を、羨ましいと思いますか?
裏を返せば、「昔は上手だったかも知れないけれど、今は上手くない」という事です。
本当に大切なのは、自我が芽生え、能動的に音楽に向き合うようになった時に「実力が伴っているかどうか」、「幸せにピアノに向かえるかどうか」なのですから。
私自身、小学生低学年以下の部門に門下生を出場させる事も有りますが、必ず「予選を通らなくても、一生懸命練習しなかったっていう事じゃないからね」と念を押してから送り出すようにしています。
小さい子供と大人では、骨格も筋肉も違います。
コンクールに挑戦して、良い成績をあげる事を目標とするならば、小学生低学年以下のカテゴリーで良い成績をあげようとすると、ある程度の無理をしてでも、早く指を動かしたり、強く鍵盤をタッチさせる必要があります。
私には、骨格も筋肉も発達していない状態で、無理なフォームでタッチを作り、過度な負担をかけながらピアノを弾かせたりする事が良い事だとは思えないのです。
「幼稚園の頃から、小学校、中学校、高校、大学・・・と、ずっと成績が良いんだよ」と言う事になれば、それはそれで素晴らしい事ですが、小さい内には、何よりも伸び伸びとピアノに向って欲しいと思うのです。
それは、いい加減にレッスンをするという意味では全くなく、楽しくレッスンをしながら、大切な基礎を確立出来るような準備をしてあげてたい、という事です。
大変残念な事ですが、幼児期からコンクールへの出場を続けていたお子さんのレッスンを他の先生から引き継いだ場合には、その不自然なテクニックの矯正から始めなければならない事が殆どなのです。
一度身に付いたテクニックを直す事は容易な事ではありませんし、それまで一生懸命練習した事が否定されるのは、辛い事です。
20世紀前半に活躍したロシア出身の大ピアニスト、ジョセフ・レーヴィンによる「ピアノ奏法の基礎(全音楽譜出版社)」という本がありますが、本の冒頭の「いい加減に教えてはならない初歩」という項目で次のように記しています。
「のんびりとした子供には、医者が糖衣錠を与えるように甘みをかぶせて教える事はたいへん結構だ。しかし、音楽の医者(先生)は音楽という薬の中の成分を、何一つとして欠かしてはならないということを充分にわきまえていなくてはならない。」
「厳しいレッスン」と「内容の有るレッスン」は同じではありません。
「優しいレッスン」と「内容の希薄なレッスン」もまた、意味は同じではありません。
「楽しくレッスンを受けていたら、いつの間にかしっかりとした基礎が身に付いてた!」 という事になったら、素晴らしい事ではないでしょうか。
子供達の目線に立ちながら、しっかりと音楽の土台を作ってあげたいと考えています。
生徒さん募集&レッスン空き状況
以下、2019年5月現在の状況です。
- 生徒さんの募集を継続しています。レッスン枠が残りわずかとなっております。お早めにご利用くださいませ。
- 募集しているコースは以下となります。『子供のレッスン』『大人のレッスン』『発達障がいその他の障がいをもつお子さまのレッスン』。
- 『子供のレッスン』『発達障がいその他の障がいのお子さまのレッスン』:今年度の募集を終了しました。空きが出ましたらお知らせいたします。
- 『大人のレッスン』『身体の調律コース』『面談セッション』:午前中または午後の早い時間帯にいらっしゃることができるようでしたら、お受けできる枠があります。(単発のレッスンのみとなります)
料金はこちら
ピアノの『先生』募集中!!
さちピアノ教室はおかげさまで、個人のピアノ教室としては異例のぶるいの多くの生徒さんを持ち、安定した運営を続けています。
年度替わりの際に、進学等により多少の空きが出ることがありますが、ほぼ定員いっぱいで、生徒さんを増やすことがなかなかできない状況です。
従来の精神論に頼らない科学的な根拠に基づいた指導法をもっと広げ、本質的な意味で生徒さんの人生の質をあげることに貢献していきたいと考えています。
そこで、指導方針に共感し、一緒に教室の運営に携わってくださるピアノ講師の方を募集します。
【条件】
- 行田市、鴻巣市、羽生市近辺に居住されている方。
- ご自宅の一室をレッスン室として使用することのできる環境にある方。
- 音楽大学、普通大学の音楽科、もしくは相当する音楽系の学校出身者。
- 専攻楽器は問いません。(ピアノでなくてもOK)
- 講師かなざわさちのブログに目を通して頂き、指導法に共感、興味を持てる方。
- 年齢は不問。
- 多少のPCスキルのある方。(Eメール、ワード、エクセルの基本機能が使えること)
- 稼働日数、稼働時間はお任せします。
【待遇】
業務委託契約(大手の音楽教室や、個人経営の教室の報酬を上回る待遇をお約束します。)
ご自身の無理のない範囲でレッスンできるため、プライベートとの両立もしやすいです。
※詳細は、メールや直接お会いしての面談の中でご説明いたします。
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