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学ぶ力を引き出す方法

違いに気づくこと。違いに気づくために刺激や雑音を減らすこと。

学ぶ力を引き出す方法を説明するために、フェルデンクライスの動きにおいて、なぜ動きを小さく少なくやることをいつも推奨しているのかについて書きたいと思います。

 

多くの文化では痛みが多いほど得るものは大きいと信じられています。

もっと頑張れ、一生懸命やれ、もっとたくさん!と。

 

もちろん私たちは自分ができるのだということを証明したいし、成功したいと思っているわけです。でもそのために、自分が不快に感じる感覚とかそういったものを打ち消しています。

 

私たちの神経システムというのは、何かを絶対的に感じるのではなく、常に何かの関係性によって感じています。同じか違うか、多いか少ないかと。

 

歴史的にある2人の有名な人物が、どのように私達の神経システムが、知覚する、認知するということに関わっているかということを研究しました。(ウェーバーフェヒナーの法則)

19世紀にその研究を始め、どこの値で『違い』というものを感じられることができるのか、その事例を突き止めたのです。

 

例えば、重さに関しては40対1だと言われています。

 

イメージしてください。薄いノートを手にもって、その上にペンを置いたら、その重さの『違い』というのが分かりますね。

なぜなら上に置いたペンは、ノートに対して40対1の割合よりももっと大きいからです。

では、分厚い辞書を3冊くらい手にもっているとイメージしましょう。

その上に同じペンを置いたら、その重さの違いを感じられないことが想像できますか?

 

騒音の激しいところでは、静かなところでは聞こえる音も聞こません。

 

夜見ると明るく見える電灯も、同じ光でも昼間見ると明るさをあまり感じません。

 

つまり、刺激(力、音、光などあらゆるもの)が多いと『違い』を識別する能力が減ったり、使えなくなるということです。

 

ですから、もし私たちが力をすごく使って何か仕事をしていたとしたら、そこにもし何らかの違いが生まれたとしても、それを認知、知覚することはほとんど無理なのです。

 

反対に、その値をどんどん減らすことによって、違いを明確にしていくことが出来るということになります。

 

例えば私がピアノレッスンでなにか話そうとしているとき、レッスン室のすぐ横にエンジンをかけている飛行機があるとしたら、とても話はできません。

つまり背景の雑音(刺激)が大きければ大きいほど、私たちの感覚器官というのはその違いを認識することができにくくなっていきます。

 

子供には、発達の未熟さから起こる刺激がたくさんあります。

大人には、育った環境によって身につけてしまった不適切な刺激のパターンがたくさんあります。

 

子供であれば、聴覚や味覚、嗅覚、前庭覚(バランス感覚)、固有受容覚などの感覚器官が未成熟だったり、原始反射(赤ちゃんの頃に持っている反応)、内蔵の不調によるものなどいろいろなものから、その大きな刺激を受け続けます。

 

大人に関しては、充分に完全に発達した人など一人もいませんから、子供の頃にうまく統合できなかった上記のことが引き継がれていたり、育った環境により身につけてしまった不適切な筋肉を使う癖により、病気まではいかなくてもどこかが痛いとか、なんとなく元気がないとか気分が悪いとか落ち込むとか、すぐに怒ってしまうとか、何かしら雑音(刺激)のある生活をしています。

 

フェルデンクライスは、動きをする前とした後で、違いを感じるようにできています。

違いを感じられる状態にしていることが、まず刺激や雑音を減らしたということでもあります。

筋肉を緩めることや神経システムに働きかけることで、こうしたことをできるようにしています。

 

例えば、音やリズムが間違っていても全く気づかずに弾く生徒さんがいます。

違いに気づかなければ間違いを治すことはできません。(間違いがダメということではなく、『音やリズムを正す』という学びにはつながらないということです。)

 

ペダルを使って弾いたときに、前の音が入ってにごってしまっている生徒さんに、『にごらないように気をつけて』と言っても、全く変わらないことがあります。

これはその生徒さんが指示に従っていないわけではなく、『にごっているかどうか』の違いを感じていないことで起こります。

 

ペダルがにごらないようにするには、まずにごっているかどうか見分ける力が必要で、その違いがわかるようになることこそが『学ぶ』ということなのです。

 

自分自身の中での違いをどんどん見つける、その感覚を発達させていくことで、違いを見分ける(学ぶことができる)ようになります。

 

私たちは『一生懸命たくさんやらなければ自分は価値のない人間になってしまう』という考えを、自身の中に組み込んでしまっています。

 『人生は楽しいものであってはいけない。』

『自分が一生懸命仕事をしているという風に感じるために、常に疲れ切っていなければいけない。』

 などなど。

 

人生を快適なものにしていない人は多いです。

不快という刺激が多い中では違いを見分けられず学べません。

 

だいぶわかりにくい内容でしたが、何か感じて頂けたでしょうか?

 

お子さんになにか学んでもらうときも、ご自身が学ぶときにも、まずは雑音や刺激を少なくしましょう。

刺激がもっとも少ない静かで快適なとき、お子さんやご自身の力は最大限に使えます。

そして雑音や刺激を少なくする方法のとても簡単な方法の一つにフェルデンクライスの動きがあげられます。

 

 

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【生徒さん募集&レッスンの空き状況】

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行田教室かなざわの担当する『子供のレッスン』『大人のレッスン』発達障がいその他の障がいのお子さまのレッスン』は定員になり、募集を終了しました。また空きがありましたら、お知らせいたします。

 

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以下、2019年1月20日現在の状況です。

 

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指導にあたって

当時、講師かなざわの1歳の息子がピアノで楽しそうに遊ぶ姿に感激しました。これは、その当時のかなざわにとってピアノは『楽しい』ものではなくなっていたからです。

 

人は本来、ピアノが楽しくないとか苦手だとは思いません。しかし、ピアノが苦手で楽しくないと感じ、結局は諦めてしまう人は多いのが現実です。それを変えたいという思いが、ピアノ教室を立ち上げる原点となりました。

 

お子様にピアノを習わせたい親御さんや、自分自身がピアノを学びたいと思っている大人の方々は、レッスンに何を期待されていますか?

私がピアノを習っていた当時は「上手い」ことが全てでした。

それは音大に入っても変わりませんでした。

 

しかし社会に出て「上手い」人に価値があるというわけではない、ということがわかりました。

それはとてもショッキングなことでした。

そこにたどり着けば上手くいくものだと思って努力していたからです。

これは勉強,就職に対する考え方と同じだと思います。

 

『上手い』演奏は目指しません。

ピアノレッスンそして練習というプロセスを通して『質の良い学び方』を学びます。

「結果」は、『学んだ』後に勝手についてきます。

練習、学びの質が良ければ自然と「上手い」演奏になるかもしれません。

 

 私が準備できるのは、まずは何度でも間違えられる、どのような弾き方でも批判を受けない、つまり「安全だ」と感じる環境を作り生徒さんが本来の力を出せるようお手伝いをすることです。

音楽は非常に歴史が深く人間の叡智が宿っています。

それを演奏する楽しさというのは格別です。

しかし、やり方を誤ると体を傷つけます。

 

私自身が、小学校高学年の頃から体の痛みに苦しめられることになりました。

30代を過ぎてからは治療法の確立されていないフォーカルジストニアという脳神経の難病を発症しています。

痛みや病気の発生はその取り組み方にありました。

 

努力や根性、厳しい訓練がもたらす弊害を、ジストニアをきっかけに始めたメソッド「フェルデンクライス」から学びました。

フェルデンクライスは脳の可塑性を利用した科学的なメソッドです。

動きを通して脳を活性化します。

 

根性論でなく、何か有名な教育書に書かれているからでもなく、ただ脳がどのようにしたら活性化するのか、よりよく学べるのか、それをフェルデンクライスは体験をもとに気づかせてくれます。

 

私の指導の源はそこにあります。

指導とは、その演奏を成しとげるための『新しい選択肢』を提示するものです。

『理想』はおしつけません。

一人ひとりに寄り添い、 その人らしい演奏を尊重します。

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