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目的にとらわれず、意図を保ちなさい(アレクサンダーの言葉から)

先日の発表会で、講師演奏の前に触れた内容です。どうしても伝えたかった話です。

 音楽家や俳優、ダンサーなどによく知られている体の使い方を教えるボディワークの創始者に、アレクサンダーという人がいますが、その人の言葉にこんなものがあります。

 

「目的にとらわれず、意図を保ちなさい」

 

これを発表会に例えると、目的というのは発表会でうまくひくこと、上手に弾くことだったりしますね。

でもこの目的にとらわれてしまうと、「上手に弾けない」ということが怖くなって、過剰に緊張したり、参加したくなくなってしまうようなことも、よくあります。

 

話がちょっと横道にずれますが、以前、ある親御さんから

「そんなに上手でもない子供が、ピアノの発表会に出る意味がわからない」

と言われたことがありました。

 

そこで私はなぜか箱根駅伝を思い出しました。

 

年に1回、ただ長い距離を走るそれだけのために、本当にたくさんの努力を重ねます。あそこまで死に物狂いでがんばらせることがよいのかどうかはハテナですが・・・。

 

あの駅伝で、優勝できなかったら意味がないのでしょうか。

優勝はできなくても6位くらいまでに入れば意味があるのでしょうか。

箱根駅伝は難しくて練習はしても出られない人もたくさんいますが、ではその方たちがやっていることには意味がないのでしょうか。

 

私は、スポーツやピアノなどの習い事、それにまつわる発表会や大会、学校のお勉強などすべては、

「人が何かを学んで成長するためにある」

と考えています。

 

箱根駅伝に例え参加できなかったとしても、そこに参加しようとした、その「意図」を通して、たくさんの学びがその人には起こるはずです。

 

発表会は、学びと成長を呼び起こすものです。

「これに出てうまく弾きたいな」という意図さえ持てばよくて、本番で出て来る結果は、何か良いとか悪いとか判断するものではないのです。

 

実際、今日まで発表会に向けてがんばるという意図を通して出演者のみなさんは、たくさんのことを学びました。学んだのはピアノのことだけではありません。精神的にも身体的にも、さらに言えば、動きそのものが神経系統に働きかけて脳に刺激を与え、猛烈に頭がよくなっています。

 

「目的にとらわれず、意図を保ちなさい」という言葉は、自分自身ではなかなか意識することはできません。

なぜなら、私たちは、結果主義で、その過程を無視する風潮の教育により、育ってきたからです。

 

テストの成績が良いほうがいい、ピアノが上手なほうがいい、大人の言うことを素直に聞く子のほうがいい、授業中大人しく座っている子の方がいい・・・。

そして、この結果のみを見てしまうことこそ、そこへと向かう過程を無視していることに他なりません。

 

なぜなら、成績を良くしたいとがんばっても、その結果が良くなければ、「あー、だめだったね」となりますよね。成績を良くしたいと思って取り組んだことから得たたくさんの学びを、結果を持ってきれいさっぱり忘れる瞬間です。

 

自分自身の内に積み重ねられてきた教育というのは、なかなか崩せないものです。

ですからせめて、自分自身へは難しくても、お子さんの発表会の演奏に対しては、どんな結果でも、認めてあげてください。

大人の方で、だれも声をかけてくださる方がいらっしゃらなければ、自分でその良い学びと成長を感じてほしいし、少なくとも私は、大きく評価していることを覚えておいてください。

 

目的は、目的にたどり着くために行う意図を持つこと(練習)の中からしか生まれません。

意図を持つこと(練習)で得た学びと成長こそが、もっとも重要なことなのです。

指導にあたって

当時、講師かなざわの1歳の息子がピアノで楽しそうに遊ぶ姿に感激しました。これは、その当時のかなざわにとってピアノは『楽しい』ものではなくなっていたからです。

 

人は本来、ピアノが楽しくないとか苦手だとは思いません。しかし、ピアノが苦手で楽しくないと感じ、結局は諦めてしまう人は多いのが現実です。それを変えたいという思いが、ピアノ教室を立ち上げる原点となりました。

 

お子様にピアノを習わせたい親御さんや、自分自身がピアノを学びたいと思っている大人の方々は、レッスンに何を期待されていますか?

私がピアノを習っていた当時は「上手い」ことが全てでした。

それは音大に入っても変わりませんでした。

 

しかし社会に出て「上手い」人に価値があるというわけではない、ということがわかりました。

それはとてもショッキングなことでした。

そこにたどり着けば上手くいくものだと思って努力していたからです。

これは勉強,就職に対する考え方と同じだと思います。

 

『上手い』演奏は目指しません。

ピアノレッスンそして練習というプロセスを通して『質の良い学び方』を学びます。

「結果」は、『学んだ』後に勝手についてきます。

練習、学びの質が良ければ自然と「上手い」演奏になるかもしれません。

 

 私が準備できるのは、まずは何度でも間違えられる、どのような弾き方でも批判を受けない、つまり「安全だ」と感じる環境を作り生徒さんが本来の力を出せるようお手伝いをすることです。

音楽は非常に歴史が深く人間の叡智が宿っています。

それを演奏する楽しさというのは格別です。

しかし、やり方を誤ると体を傷つけます。

 

私自身が、小学校高学年の頃から体の痛みに苦しめられることになりました。

30代を過ぎてからは治療法の確立されていないフォーカルジストニアという脳神経の難病を発症しています。

痛みや病気の発生はその取り組み方にありました。

 

努力や根性、厳しい訓練がもたらす弊害を、ジストニアをきっかけに始めたメソッド「フェルデンクライス」から学びました。

フェルデンクライスは脳の可塑性を利用した科学的なメソッドです。

動きを通して脳を活性化します。

 

根性論でなく、何か有名な教育書に書かれているからでもなく、ただ脳がどのようにしたら活性化するのか、よりよく学べるのか、それをフェルデンクライスは体験をもとに気づかせてくれます。

 

私の指導の源はそこにあります。

指導とは、その演奏を成しとげるための『新しい選択肢』を提示するものです。

『理想』はおしつけません。

一人ひとりに寄り添い、 その人らしい演奏を尊重します。

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