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ジェレミークラウスアプローチのトレーニングからアイディアを得たピアノの練習方法(1)。

10月18日〜10月23日までの6日間、フェルデンクライスから派生した、子供に特化して動きのアプローチを学ぶ、ジェレミークラウスのトレーニングに行ってきました。そこからアイディアを得たピアノ練習方法を書いてみます。

学芸大学駅近くのスタジオにて、ジェレミー先生の早口の英語で、朝10時半から夕方5時まで授業を受け、頭がパンクしそうなくらいのボリュームです。あと1年半大丈夫だろうか私・・・。

 

ジェレミークラウスアプローチの実際の授業風景はこちらをクリック(フェイスブック)

※ジェレミー先生の投稿のため英文ですが、写真が掲載されているので雰囲気はわかります。

 

 授業内容は、生後5時間から1歳になるくらいまでの赤ちゃんの動きの写真や動画を見て、その動きについて自分で説明し、自分でそっくり同じ動きをおこない、感覚を感じるというもの。それをほぼ一日中やります。

赤ちゃんは意味のある様々な動きをたくさんやっています。

 

フェルデンクライスは、

「完璧に発達した人間など一人もいない」

と言いましたが、まさに私自身、とある発達の動きをすっかり抜かしてきたかなときづいたことがありました。

 

赤ちゃんは、大人の骨といろいろ違うところがあります。

例えば腰の骨は、大人は少し湾曲しています。あおむけになって寝てみると腰が少し浮いているのがわかるでしょう。

赤ちゃんはこれがまっすぐで、腰は全く浮いていません。

そして胸郭(肋骨や鎖骨などの胸のあたりの骨)が常に高い位置に保たれています。

 

あおむけで床に寝て、床についている足を胸のあたりに引き寄せようとする動きにおいて、赤ちゃんは骨盤を適切に動かし、骨盤底筋を使って腹筋の力を使わずに足を浮かせて胸に引き寄せることができます。(この動きに成熟している赤ちゃんの場合で、未成熟な場合にはできない赤ちゃんもいます。)

 

この動き、わずか生後数ヶ月くらいで行う動きなのですが、私、できませんでした・・・。

足を持ち上げようとすると、どうしても腹筋を使ってしまうのです。(大人の方、ぜひやってみてください。背骨を真っ直ぐにして、胸郭を高い位置に保ち、お腹を柔らかくしたまま足が持ち上がりますか?)

 

これが全くできなかったり、あるいはとてもむずかしい場合には、この発達が未成熟なままで終わっているということかもしれません。

 

ジェレミー先生は、ある発達の動きが未成熟である場合、その後の発達が阻害され続けるとおっしゃいました。

 

ここで赤ちゃんが使う骨盤底筋とはコアマッスルとも呼ばれる深いところにある筋肉です。

非常に大きい力を生むことのできる筋肉で、これを使うことができないと様々な動きに支障が出ます。

それによって十分に神経系統が配線されず、発達がうまくいかないこともしばしばです。

 

私は、これができない自分を感じて、辛かった子供時代やピアノ演奏のことを思い出しました。

 

私は、姿勢維持することが辛い子供でした。

朝礼で立っていることが恐ろしく不快でした。うまく立っていられないのです。

授業中も姿勢をきちんと保つことに精一杯で、先生の言うことは頭に入らず、自分で教科書を読んで勉強していました。

成人してからも満員電車や電車で立っていることが苦痛すぎて、立っていられないから会社を続けていけないなんてこともありました。(フェルデンクライスをやるようになってからは、へっちゃらになりましたが)

 

演奏においては、小学1年から1時間のレッスンを受けていて、椅子に見た目姿勢よく座り続けるために、座るために必要のない筋肉を総動員して、かちこちで激疲れしながらピアノを弾いていました。

 こんなことでは、頭にも入らず練習にも集中できないのは当たり前ですね。

 

この赤ちゃんの動きを数回した後に、ピアノを弾いてみると大きい音が楽に出ました。うまくいかない指の運びもスムーズにできる箇所がありました。

生徒さんに、ピアノを弾く際にこの動きを応用したものをやってもらったら、8割くらいの方に効果がありました。

 

【練習方法】

息を大きくすって胸をふくらませる。肩は楽におとす。胸をその位置に保ち、楽に呼吸をする。お腹はやわらかくしておく。胸の中の空間が広いイメージでお腹が柔らかいまま、それを全く変えずにピアノを弾く。

 

胸郭を高い位置に保ち、腹筋を使わないでお腹を柔らかくすると骨盤を自由に動かすことができるため、骨盤底筋も使うようになります。そのため楽に力を出すことができます。

背骨を押しつぶさないため、背骨から生えている肩や腕の動きを殺しません。そして余計な力を入れなくて済むので、指も早く動きます。

 

誤解のないように申し上げますが、発達の動きを抜かしたり未成熟なままにして、その後の発達が阻害されていない人は一人もいません。重要なのは、それをフェルデンクライス等を使ってやり直す機会があるかどうかです。

ハイハイを抜かしたとか、転がらなかったとか、そんなのはどうでもよく、今からやり直すチャンスを与えてあげられるか、または自分に与えることができるかにかかっています。

 

ジェレミークラウスのトレーニングで、これ以外にもレッスンに役立つことや、子育てに関しての信頼のおける知識、また障害のあるお子さんにダイレクトに効く手技など、様々なことを学びました。

 

これから少しずつ書いていきますのでお楽しみに〜。

指導にあたって

当時、講師かなざわの1歳の息子がピアノで楽しそうに遊ぶ姿に感激しました。これは、その当時のかなざわにとってピアノは『楽しい』ものではなくなっていたからです。

 

人は本来、ピアノが楽しくないとか苦手だとは思いません。しかし、ピアノが苦手で楽しくないと感じ、結局は諦めてしまう人は多いのが現実です。それを変えたいという思いが、ピアノ教室を立ち上げる原点となりました。

 

お子様にピアノを習わせたい親御さんや、自分自身がピアノを学びたいと思っている大人の方々は、レッスンに何を期待されていますか?

私がピアノを習っていた当時は「上手い」ことが全てでした。

それは音大に入っても変わりませんでした。

 

しかし社会に出て「上手い」人に価値があるというわけではない、ということがわかりました。

それはとてもショッキングなことでした。

そこにたどり着けば上手くいくものだと思って努力していたからです。

これは勉強,就職に対する考え方と同じだと思います。

 

『上手い』演奏は目指しません。

ピアノレッスンそして練習というプロセスを通して『質の良い学び方』を学びます。

「結果」は、『学んだ』後に勝手についてきます。

練習、学びの質が良ければ自然と「上手い」演奏になるかもしれません。

 

 私が準備できるのは、まずは何度でも間違えられる、どのような弾き方でも批判を受けない、つまり「安全だ」と感じる環境を作り生徒さんが本来の力を出せるようお手伝いをすることです。

音楽は非常に歴史が深く人間の叡智が宿っています。

それを演奏する楽しさというのは格別です。

しかし、やり方を誤ると体を傷つけます。

 

私自身が、小学校高学年の頃から体の痛みに苦しめられることになりました。

30代を過ぎてからは治療法の確立されていないフォーカルジストニアという脳神経の難病を発症しています。

痛みや病気の発生はその取り組み方にありました。

 

努力や根性、厳しい訓練がもたらす弊害を、ジストニアをきっかけに始めたメソッド「フェルデンクライス」から学びました。

フェルデンクライスは脳の可塑性を利用した科学的なメソッドです。

動きを通して脳を活性化します。

 

根性論でなく、何か有名な教育書に書かれているからでもなく、ただ脳がどのようにしたら活性化するのか、よりよく学べるのか、それをフェルデンクライスは体験をもとに気づかせてくれます。

 

私の指導の源はそこにあります。

指導とは、その演奏を成しとげるための『新しい選択肢』を提示するものです。

『理想』はおしつけません。

一人ひとりに寄り添い、 その人らしい演奏を尊重します。

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