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ほどよい力加減で弾くこと(響きのあるタッチ)はどうしたらできるようになるのか。(前編)

大きく弾きたいと思ったら、たたきつけるような乱暴な音になってしまう、小さく弾こうと思ったら、弱々しくて響かない音になってしまう。本当にピアノは難しいですよね。

たまたま最近、この問題について生徒さんの親御さんから相次いで質問がありましたので、こちらで少し詳しく書いてみたいと思います。

 

大きい音と一口に言っても、美しく響く場合と乱暴に聴こえる場合があります。

小さい音でも、遠くまで響く心に染み入るように聴こえる場合と、弱々しいと感じたり、不安定感があるように聴こえる場合があります。

 

まず、知っておいてほしいことは、こうしたほどよい力加減の響きのあるタッチというのは、生涯をかけて獲得していくことだということです。

有名なピアニストだって一生考え続け、探索していることです。

 

ですので、これがゴールというものはありませんが、お子さんやピアノ初心者の大人の方が、一応弾けたけど、なんかもっときれいに弾きたいなと思ったときに役立つアイディア、という観点で書いてみます。

 

【響きのある美しい音とは】

まずは、響きのある美しい音とはなんだろうというところから始めます。

それには、ピアノの構造を知ることが不可欠です。

 

《ピアノの音が出る仕組み》

鍵盤を押すと、その奥にあるハンマーが下から弦を打ちます。

弦の片方の端は駒で支えられていて、その駒は響板に載っています。弦の振動は駒を介して響板に伝わり、響板が空気を振動させることで音が鳴ります。ピアノは、響板を中心に、楽器全体が振動して音を出しているのです。

 

弦を叩くことで音を出しているわけですね。

 

叩くこと言うことは、そう!打楽器に似ています。

太鼓を思い浮かべてみましょう。

太鼓はどのようにしたら響くいい音になるでしょうか。

太鼓を叩く瞬間に、バチをとめて押さえつけて弾くとどうなりますか?

響かない、くすぶった音になるのが想像できると思います。

 

ピアノも同じです。

打鍵と同時に、太鼓のバチのように素早く力を抜く必要があります。

そうでないと、鍵盤を押さえつけているため、響きがなくなるんですね。

 

【美しい音を出すには】

大きい音、小さい音をだすとき、魅力的でない音というのは、この押さえつけていることで起きていることがほとんどです。

 

ある実験で、ピアニストとアマチュアが弾いたときの差を調べました。

ピアニストはアマチュアに比べて、鍵盤が底に着いてから力を加えている時間が「短い」ことがわかりました 。

 

つまり、アマチュアは、鍵盤が底に着いたあとも力を加えて鍵盤を「押さえ続けていた」のに対し、プロは、鍵盤が底に到達するやいなや、「すぐに力を弱めていた」のです。

 

ピアノという楽器が、どんな音を響かせるかは、打鍵のしかたによって変化します。したがって、打鍵が済んでしまってから、 つまり鍵盤が底まで降りてしまったあとにいくら力を加えても、音は変化しません。

そのため、鍵盤が底に着いたあとに鍵盤を押さえるのは 「無駄な仕事」 と言えるでしょう。

 

音を鳴らすという目的にとっては、不必要な時間に筋肉を使わないことで、「省エネ」で弾くことが必要なのです。

 

では、省エネで弾くためにはどのようなことが必要なのか。

これは、次回書いてみたいと思います。

 

お楽しみに〜。

 

 『ピアニストの脳を科学する』古屋晋一著より、一部引用させて頂きました。

さちの本棚

前にも紹介したことがある本です。

ピアノ演奏の上達を目指す人は、一度は読んでおいたほうがいいと思います。

 

ピアノ演奏は、どうしても『ど根性』の練習三昧の世界になりがちです。

 

人間の脳がピアノを弾いているときにどんなことをしているのか、プロとアマチュアにはどんな差があるのかなど、違いに気づき、どのように弾くとよいのか考えることは、ピアノの練習200時間くらいに匹敵すると思います。

 

ただ何も考えずに練習するだけでは、うまくならないのです。

先生募集!

さちピアノ教室はおかげさまで、個人のピアノ教室としては異例のぶるいの多くの生徒さんを持ち、安定した運営を続けています。

 

年度替わりの際に、進学等により多少の空きが出ることがありますが、ほぼ定員いっぱいで、生徒さんを増やすことがなかなかできない状況です。

 

従来の精神論に頼らない科学的な根拠に基づいた指導法をもっと広げ、本質的な意味で生徒さんの人生の質をあげることに貢献していきたいと考えています。

 

そこで、指導方針に共感し、一緒に教室の運営に携わってくださるピアノ講師の方を募集します。

 

【条件】

  1. 音楽大学、普通高校の音楽科、もしくは音楽系の専門学校出身者。または子供の教育関連の学校出身者。
  2. 専攻楽器は問いません。(ピアノでなくてもOK)
  3. 講師かなざわさちのブログに一通り目を通して頂き、指導法に共感、興味を持てる方。
  4. 年齢は不問。
  5. 多少のPCスキルのある方。
  6. 稼働日数、稼働時間はお任せします。

【待遇】

業務委託契約

 

※詳細は、公式LINEや直接お会いしての面談の中でご説明いたします。

お問い合わせはこちらへお願いします。

指導にあたって

当時、講師かなざわの1歳の息子がピアノで楽しそうに遊ぶ姿に感激しました。これは、その当時のかなざわにとってピアノは『楽しい』ものではなくなっていたからです。

 

人は本来、ピアノが楽しくないとか苦手だとは思いません。しかし、ピアノが苦手で楽しくないと感じ、結局は諦めてしまう人は多いのが現実です。それを変えたいという思いが、ピアノ教室を立ち上げる原点となりました。

 

お子様にピアノを習わせたい親御さんや、自分自身がピアノを学びたいと思っている大人の方々は、レッスンに何を期待されていますか?

私がピアノを習っていた当時は「上手い」ことが全てでした。

それは音大に入っても変わりませんでした。

 

しかし社会に出て「上手い」人に価値があるというわけではない、ということがわかりました。

それはとてもショッキングなことでした。

そこにたどり着けば上手くいくものだと思って努力していたからです。

これは勉強,就職に対する考え方と同じだと思います。

 

『上手い』演奏は目指しません。

ピアノレッスンそして練習というプロセスを通して『質の良い学び方』を学びます。

「結果」は、『学んだ』後に勝手についてきます。

練習、学びの質が良ければ自然と「上手い」演奏になるかもしれません。

 

 私が準備できるのは、まずは何度でも間違えられる、どのような弾き方でも批判を受けない、つまり「安全だ」と感じる環境を作り生徒さんが本来の力を出せるようお手伝いをすることです。

音楽は非常に歴史が深く人間の叡智が宿っています。

それを演奏する楽しさというのは格別です。

しかし、やり方を誤ると体を傷つけます。

 

私自身が、小学校高学年の頃から体の痛みに苦しめられることになりました。

30代を過ぎてからは治療法の確立されていないフォーカルジストニアという脳神経の難病を発症しています。

痛みや病気の発生はその取り組み方にありました。

 

努力や根性、厳しい訓練がもたらす弊害を、ジストニアをきっかけに始めたメソッド「フェルデンクライス」から学びました。

フェルデンクライスは脳の可塑性を利用した科学的なメソッドです。

動きを通して脳を活性化します。

 

根性論でなく、何か有名な教育書に書かれているからでもなく、ただ脳がどのようにしたら活性化するのか、よりよく学べるのか、それをフェルデンクライスは体験をもとに気づかせてくれます。

 

私の指導の源はそこにあります。

指導とは、その演奏を成しとげるための『新しい選択肢』を提示するものです。

『理想』はおしつけません。

一人ひとりに寄り添い、 その人らしい演奏を尊重します。

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