シュタイナーも野口整体も、以前から興味のあったことだったので、コラボで聴けたのはラッキーでした。
シュタイナー教育は、シュタイナーという人が教育経験を経て作り上げました。
複雑な理論に基づいています。
人間文化研究者の大野裕美は、「シュタイナー教育の思想や理論は壮大かつ深遠であり、その実践は多彩できめ細かく多層的であるため、全体像を明らかにすることは容易でない」と指摘しています。
よって、私にわかりやすい説明は無理です。
そんな難しそうな教育法ですが、ピアノ演奏がうまくいかないのは、体が適切に発達できていないからだと気づき始めた私が、シュタイナーの動きのメソッドにとびついたのは、半年ほど前のことです。
興味を持った最大の理由は、その動きの考え方がフェルデンクライスとそっくりだったからでした。
フェルデンクライスは、そのままやらせるのは子供にはとても難しいのですが、それをわかりやすく、子供にも楽しい方法で提供しているのがシュタイナーの動きのアプローチだと思いました。
2点、とても参考になったことがありました。
一つ目は触覚と自我感覚というトピックです。
触覚は、ものすごく簡単に言うと皮膚の感覚です。自分の範囲がどこまでなのかわかる、自分と他との境界線がわかる、もう少しいうと、ボディイメージというものでもあります。
これは、大人の生徒さんでも子供の生徒さんでも、簡単に気づくことができます。
『薬指を動かしたいのに人差し指が動いたり、一つ飛び越えた音が弾きたいのに、隣の音を弾いてしまう』なんて経験ありませんか?
なぜそれが起きるかというと、自分の指先のイメージ(触覚)が未熟だからです。
そこにはっきりと指先のイメージがついてくれば、薬指を動かしたいのに違う指が動いちゃうなんてことはなくなってきます。
指先で起こるのは、まだいいのです。
これが、全身で起こっていることがあります。ちなみに赤ちゃんはいつでもこの状態です。
赤ちゃんは、どこから自分でどこからが自分でないのかわからないそうです。
見ているとわかりますが、しょっちゅうどこかに体をぶつけたり転んだりしますよね。
ボディイメージが確立されていないからです。
触覚は成長につれて徐々に育ってきますが、何らかの理由で発達がうまくできていないお子さんは、
実はものすごく多いと感じています。
触覚が未発達だと何が起きるでしょう。
想像してみてください。
どこからどこまでが自分なのかわからないのって、すごく不安なことだと思いませんか?
まず不安が大きくなる子が多いです。特にお母さんから見捨てられないかと心配するそうです。
お母さんのちょっとした言動で、とても不安になって離れないお子さん、いますよね。
触覚が未成熟な人は、肌にあたる感覚を得ようとして、布団にくるまることが好きだったり、
わざわざ重い布団を好んだりします。
しっかり、自分と他との区別をしたい、区別をすると安心するということを知っていて、無意識にやっているのです。
ちなみに私は子供の頃、布団にしっかりくるまったり、母の足と足の間に自分の足を入れて寝るのが好きでした。
そして、いつもどこか不安な子供でした。
ピアノをやっていたのも、母に見捨てられたくない、母の気をひきたかったという要素は大きいです。
どうすれば触覚の機能が発達するのかというと、ものすごく簡単なところでは、お母さんがとにかく触ってあげること。
(ただしコツがありますので、ご興味ある方はお問い合わせください。私も勉強途中ですが。)
そして、いろんなものを触ることです。
例えば、砂場遊び、粘土遊び。
海などで砂に埋まる経験。
お料理。
動物を触る。
木の積み木、おもちゃで遊ぶ。(木や自然の素材であることが重要)
自閉症6歳の息子は、この方法で、精神的にだいぶ安定して過ごせるようになっています。
毎朝フェルデンクライスをベースにしてシュタイナーの考え方を取り入れ、遊びともマッサージともいえることをやっています。
注意してほしいことは、こういう状態になるのはお母さんの育て方のせいではないということです。
もともと、そこに遅れをもって生まれてきています。そして触覚を育てる上記のような経験を積み重ねることで、
少しずつ治癒していくのです。
シュタイナーの講座で参考になった2点目については次回のブログにて!