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自らを改善するためには自己の価値を認めなくてはならない

教室の発表会でいつも英語の歌を歌っている甥が、難関麻布中に合格。お勉強ができること以前に考えておかなくてはならないことを書きました。

ついこの前、姉からオギャアと生まれた甥が、偏差値76という難関中にさらりと合格。何か不思議な感覚がします。

私の自閉症の息子は甥と同学年で、どうしても周りから比べられたりすることがあり、ここで人の価値というものについて説明できるようにしておきたいなと思いました。

 

私が学んでいるフェルデンクライスメソッドの創始者「モシェ・フェルデンクライス」はこう言っています。

 

人の価値は人によって全く変わらない。しかし自ら生きにくくしているのは

「自分の価値を、社会的な価値と同一化させている」ところにある。

 

本当にその通り。

その辺に生きているアリがどのアリも同じ価値を持つように、人の本来の価値は王様だろうが総理大臣だろうが変わりません。

 

でもどうしても、人は自分が社会においてどのような役割を持ちどのような立場にあるか、ということで自己イメージを作ってしまいがちです。

勉強はその典型です。

学校(社会)で勉強ができることが良いことだとされる→できる場合は自己評価が高くなり、できない

場合には低くなる。

偏差値の良い学校に入るのが(社会では)評価が高いことが多い、だから偏差値の良し悪しで自己評価の満足度が変わる。

 

でも本来は、勉強ができなかろうがピアノができなかろうが、社会的な構成要素として必要なことが何一つできていなかったとしても、人の価値は変わりません。

 

難関中に受かった甥が中学受験するきっかけは、コロナで学校がほとんど休みになってしまい、暇だから塾にでも行ってみるかと受けた塾の試験で、いきなり第2位だったことから始まりました。

勉強が得意ならやろうと始めて、2年も勉強していないと思います。

 

なぜこんなに、人によって難しさが全く違う勉強というもので価値判断したり、されたりしなくてはいけないのでしょうか。。。

 

フェルデンクライスは、ノーベル賞を獲得できると囁かれた天才物理学者でしたが、その道にはいかず、人生の質の向上を探究し続けた人です。

フェルデンクライス自身が、社会的な価値と自分の価値をきちんと切り離すことができている人でした。

 

もちろん、生きていくために社会的に自分がどのようにあるか、を考えてやっていくことは重要です。

でも自分の価値とそれを同一化してはなりません。

フェルデンクライスは、すでに50年以上も前に

「今、人間が本来の価値を取り戻す、その過渡期の時代に来ている」

と言いました。

 

確かに、コロナをきっかけとして在宅ワークが進み、今までは少なかった「会社に属する働き方でない働き方」がものすごい勢いで増えています。

私は夫とともに自営業なので、組織に属して働くことの方がよほど大変な感じがしていて、自閉症の息子なおきにも

「こういうやり方で稼げるかも、こうやったらお金がもらえる仕事になるかもしれない。」

ということは日常的に話をします。

そういう話の中で息子は

「じゃあ、ボルダリングを教える時に外国の人も招きたいから英語はやる。」

とか、

「料金とか宣伝とか考えるのに算数と国語は必要だからもう少し勉強やるかな。」

などと考えているようです。

 

そして最終的には

「中学校卒業して事業を起こして自分で稼げれば、高校に行かなくてもいい。だからこれから行く中学校でも勉強は必要なだけする。宿題は退屈だからやらないし、部活動はボルダリング部がないからやらない。」

というところに辿り着いています。

なおきは今の所、社会的な価値と自分の価値を切り離して考えています。

 

また、フェルデンクライスはこうも言っています。

「自らを改善するためには自己の価値を認めなくてはならない。」

自己イメージというものは、自分が限界だと思っているその枠の中にあります。

 

でも実際は、人の能力というものはほとんど変わらないのです。

能力の多くを使えている人と、そうでない人がいるだけです。

 

できるのに、できないと思ってやらなかったり、やるまでに時間がかかってしまったりするのは、自己イメージが作ってしまっている壁です。

その壁が自分本来の、正確なところにあったらどうでしょう。

様々なことにチャレンジし、新しい動きにも手を伸ばすことができます。

「能力の使い方」と自己イメージは直結します。

 

社会における自己イメージではなく、本来の正確な自己イメージを持つことができたならば、私たちはもっとより良く自分のことを好ましく思い、人生の質を上げていくことができます。

だから、社会的に子供がどうあるか、自分がどうあるか、ということではなく正確な自己イメージを持つことが大切です。

 

動きによって本来の正しい自己イメージを探究し、能力を高めていけるのが私が学んでいる「フェルデンクライスメソッド」です。

大人でも子供でも非常に効果があります。

教室でも体験できるほか、良い指導者を紹介することもできます。

興味がありましたらお声がけください。


限界を超えていく自閉症なおきのボルダリング

知的障がい、様々な感覚過敏を持ち一生お話しすることはないかもしれない、と言語聴覚士さんから言われたなおき。

限界と見えるものを楽に超え、自分の欲求に適切に従い生きています。

今のところはボルダリングジムの経営&指導者になるのが夢です。

指導にあたって

当時、講師かなざわの1歳の息子がピアノで楽しそうに遊ぶ姿に感激しました。これは、その当時のかなざわにとってピアノは『楽しい』ものではなくなっていたからです。

 

人は本来、ピアノが楽しくないとか苦手だとは思いません。しかし、ピアノが苦手で楽しくないと感じ、結局は諦めてしまう人は多いのが現実です。それを変えたいという思いが、ピアノ教室を立ち上げる原点となりました。

 

お子様にピアノを習わせたい親御さんや、自分自身がピアノを学びたいと思っている大人の方々は、レッスンに何を期待されていますか?

私がピアノを習っていた当時は「上手い」ことが全てでした。

それは音大に入っても変わりませんでした。

 

しかし社会に出て「上手い」人に価値があるというわけではない、ということがわかりました。

それはとてもショッキングなことでした。

そこにたどり着けば上手くいくものだと思って努力していたからです。

これは勉強,就職に対する考え方と同じだと思います。

 

『上手い』演奏は目指しません。

ピアノレッスンそして練習というプロセスを通して『質の良い学び方』を学びます。

「結果」は、『学んだ』後に勝手についてきます。

練習、学びの質が良ければ自然と「上手い」演奏になるかもしれません。

 

 私が準備できるのは、まずは何度でも間違えられる、どのような弾き方でも批判を受けない、つまり「安全だ」と感じる環境を作り生徒さんが本来の力を出せるようお手伝いをすることです。

音楽は非常に歴史が深く人間の叡智が宿っています。

それを演奏する楽しさというのは格別です。

しかし、やり方を誤ると体を傷つけます。

 

私自身が、小学校高学年の頃から体の痛みに苦しめられることになりました。

30代を過ぎてからは治療法の確立されていないフォーカルジストニアという脳神経の難病を発症しています。

痛みや病気の発生はその取り組み方にありました。

 

努力や根性、厳しい訓練がもたらす弊害を、ジストニアをきっかけに始めたメソッド「フェルデンクライス」から学びました。

フェルデンクライスは脳の可塑性を利用した科学的なメソッドです。

動きを通して脳を活性化します。

 

根性論でなく、何か有名な教育書に書かれているからでもなく、ただ脳がどのようにしたら活性化するのか、よりよく学べるのか、それをフェルデンクライスは体験をもとに気づかせてくれます。

 

私の指導の源はそこにあります。

指導とは、その演奏を成しとげるための『新しい選択肢』を提示するものです。

『理想』はおしつけません。

一人ひとりに寄り添い、 その人らしい演奏を尊重します。

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従来の精神論に頼らない科学的な根拠に基づいた指導法をもっと広げ、本質的な意味で生徒さんの人生の質をあげることに貢献していきたいと考えています。

 

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