この本、ものすごく面白かったです。
医学部を卒業し、解剖学が専門でありながら東京芸大の教授をされていた三木成夫さんの名著。
表紙は、受胎後1ヶ月経った人の胎児の顔です。
この顔はナマケモノの赤ちゃんにとても良く似ているらしいです。
本書にあった、もっと初期の胎児の顔は魚類そのもので、そこから爬虫類の顔つきになって、ようやく哺乳類の顔になっていきました。
宇宙のリズムから考えることで、その中に生きている人間の不調や、子供の行動などを解き明かしていきます。
いろんなことをとことん突き詰めていった方で、「宇宙のエネルギー」とか「宇宙のリズム」とか、とにかく「宇宙の・・・」発言をされる方がときどきいらっしゃいますよね。(芸術家とか学者など多いかな。)
今まで「そういう頭のいい人の言うことは意味がわからない(^^;」と思っていましたが、本書で少し理解できました。
シンプルに言うと、人間は宇宙の一部であるから、そのリズムに動かされているのは事実である。そこに従って生きると楽。でも抗うとしんどくなる。そんな感じでしょうか。
私は今風邪をひいていてだいぶしんどいですが、もう治っていいはずなのに治らない。お医者さんに行ってもなぜ治らないのかわからない(T_T)
もちろんストレスとか、息子の世話とかいろいろありますが、根本的なところには、宇宙のリズムが関係しているのかもしれません。
人によって、この時期は決まって体調が悪くなるとか、一日の中でもこの時間帯がなんか調子いいとかありますよね。不定愁訴と呼ばれていたりします。
それは、宇宙という大きな営みの中で、一つの波に動かされているからです。
現代社会は、そこに抗わないと生きていけないものになっていますが、そういう壮大な、「自分ではコントロールできない何か」に動かされていると感じることができると、身体や精神状態が不調の時に「ま、しょうがないか」と思うことができるのではないでしょうか。
もちろん、そのリズムを応用することで、逆に不調を治していくこともできます。またリズムに乗ればいいのですから。
私も現在の風邪の不調を、「なぜ治らない!キー!」とか思わずに、自分の体のリズムを感じながらながめてみたいと思います。