私が、支援を必要とするお子さんたちを積極的に受け入れることを特色とする教室を開講するきっかけとなったのは、私の息子の習い事でした。
当時5歳だった息子は、自閉症と知的障がいの診断を受けていました。親の私は、何か習い事を始めさせてみたいという気持ちが芽生えていました。
しかし、あるバイオリンの先生に特性について伝えたところ、まさかの門前払いを経験しました。私は驚きました。その先生は、息子のことを見てもいなかったからです。
この経験から、特性を持つお子さんたちに対する社会というものの理解の不足を痛感しました。こうしたお子さんたちが自信を持って通えるピアノ教室を創りたいと思うようになりました。
障がいとひと言でいっても、その症状は様々です。
身体の不自由においても、発達障がいのような「心が、知的に」と呼ばれるようなものだったとしても、両者はとても似ています。脳はからだの動きと心を一つのものとして扱っているからです。
身体に不自由さがあると、自閉症のような特性を持っていたりしますし、ADHDがあるとからだの不器用さが合ったりします。ですので、当教室は障がいと呼ばれる診断がある全てのお子さんを受け入れることができます。
もちろん診断グレーと呼ばれるお子さんも同様です。
特別な支援を必要とするお子さんとのレッスン実績は下記です。
■発達障がい(ADHD、自閉症、知的障がい、HSC、不器用障がい等)
■ダウン症
■プラダーウィリー症候群
■脳性麻痺
■場面緘黙症
生徒さんの半分くらいが何らかの診断を持つお子さんです。
私は、30代半ばにフォーカルジストニアという難しい脳神経病に冒され、左手の不自由を経験しました。
この難病に対し、治療の一環として取り組んだ『フェルデンクライスメソッド』が、驚くほどの効果をもたらし、私の人生を変える契機となりました。
難治性の病であるにもかかわらず効果があったことは、脳神経が変容可能であることを実感しました。今、息子の前にある状態は固定されたものではなく変化が可能であることを確信しました。
『フェルデンクライス』は、物理学者であるモーシェ・フェルデンクライス博士が提唱した科学的なメソッドです。世界的に高い評価を得ており、一部の国では保険治療としても利用されていますが、日本ではまだ認知度が低い手法です。
息子は診断当初、言語聴覚士から一生話すことは難しいかもしれないと告げられました。感覚過敏やパニックに悩まされ、家族全体が辛い日々でした。
しかし私は息子の神経系は変化すると信じ、日々のフェルデンクライスの手技とその考え方を組み合わせて育てていきました。今では彼は高い知性で話し、様々な趣味にも取り組んでいます。
モーシェ・フェルデンクライス博士は、「完璧に発達した人間など一人もいない」と言いました。
どんな人でも、大人であっても、将来に向けて発達することは可能です。
その方法は、『動き』を通して『感覚』に働きかけること。『動き』によって神経系を発達させ変えていくことができるのです。
ピアノ演奏において、特性のある子どもが直面する難しさは、「やらない」という姿勢にあります。
しかし、一度取り組んでみると、不器用であったとしても必ず上達し、曲を弾けるようになります。
親御さんにお願いしたいのは、子供の取り組みを見守り、辛抱強く継続していただくことです。初めは何も進んでいないように見えるかもしれませんが、子供はその中で多くの学びを得ています。
レッスンは4歳以上のお子さんを対象としています。
体験レッスンは、お子さんを観察し、同時に私もお子さんから学ぶ時間です。ピアノを弾くまで至らないこともよくあります。まずはお子さんと遊び、現在の活動に共感することからスタートします。このプロセスで信頼関係を築いていきます。体験レッスン後には、お話しする時間を設け、頻度や時間についてのご希望や相談に応じます。
指導とは、その演奏を成し遂げるための『新しい選択肢』を提示するもの、決して『理想』は押し付けません。
ピアノ演奏に置いて、自分の体を知っていることはとても大切です。
解剖学を使って説明するときに使っている骨格模型です。
レッスン室です。
楽器の音は非常に豊かに美しく鳴る設計でありながら、外からの音はシャットアウトするので集中しやすい環境です。
C3のグランドピアノを置いています。
遊びながら学べるおもちゃや楽器も置いています。
歌が好きなお子さんが多いので、弾き語り用、歌用のマイクなども揃えています。
電車好きの小学1年生のレッスン。
電車好きのお子さん、多いですね!
低学年くらいになってくると発車メロディの沼にハマるお子さんが多いため、講師かなざわはいつの間にか発車メロディに詳しくなってしまいました。どんなマニアックな発車メロディでも耳コピで対応しています!
耳コピで新時代を演奏してくれる小学2年生です。
彼女は非常に耳がよく、教室のYouTubeを見ては耳コピし、レッスンで披露してくれます。
最初の数ヶ月はなかなかピアノに向かうことができず講師と遊ぶことを繰り返していましたが、今では25分レッスンから40分レッスンに変更が必要なほどピアノを弾きまくってくれるように。
親御さんの忍耐力に大感謝です。
大の車好きから、電車好きも加わった小学4年生です。
車はあまり音がないので応用しにくいのですが電車はいろいろあるので楽しみやすいです。
こちらは接近音、好きなあのメロディが弾ける楽しみ。
当コースと親子コースで利用されている中学生とお母様による演奏です。
自閉圏のお子さんは連弾が苦手なことが多いですが長い年月をかけて雪解け?し、お母さんとの連弾が可能になりました。
ちなみに講師かなざわとの連弾はまだ許可して頂いておりません(汗)
生徒さんではないですが、講師の自閉の息子のギター演奏です。
ギター歴は2年ほど。ずいぶんとさまになってきました!
こちらも息子、カッチーニのアヴェマリアを歌唱しています。
歌は自分自身の体をフルに使い、音程や強弱を使い分ける識別能力が必要。
識別能力の向上は知能の向上、だから歌が上手くなれば知性、能力も上がります。
教室では歌が好きな生徒さんには歌のレッスンも行っています。
レッスンの様子などをYou Tubeにアップしています。
↓雰囲気がわかりますのでぜひご覧ください。
定期コース:月額4,200円〜
単発コース:3,150円(1回)〜
しばらくの間、生徒さんのレッスン風景をブログに掲載していなかったのですが、教室のYouTubeアカウントはほぼ毎日のように許可を得ている生徒さんの動画をアップしています。そのほんの一部ですがご覧ください!
ある音楽冊子の特集で神経科学者の澤口氏が『習い事はピアノだけでよい』と題名に記した執筆がありました。
言い切っているのが面白かったため読んでみました!
発表会の直前から風邪をひき、先週くらいまで咳喘息や声が出ないなどで苦しんだ講師かなざわです。
ようやくほぼ完全に復活しました。動けない間、教室の過去のYouTube動画の沼に入り溺れかけました。生徒さんの動画があまりに魅力的だったので、過去と現在の生徒さんたちの姿を比べて載せてみることに!