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発表会終了!時間がなくて話せなかったこと①

去る2022年11月27日(日)に発表会を無事終えることができました。

関係者の皆さま、ご協力ありがとうございました。動画は12月1日より随時アップしていきます。

 

当日は、私が話すための時間をきちんと取っていなかったため、話そうと思っていたけれど辞めることにしたアイディアが幾つかありました。

今日はそれについて一つ書きたいと思います。

発表会や本番、人前で何かするときの考え方について。

 

私が小学生の頃、ネバーエンディング・ストーリーと言う映画を見たことがあります。

その物語は、10歳の少年のバスチアンと彼が読む本の中の主人公、アトレーユのお話です。

本の中の主人公、アトレーユが『無』という大きな敵を倒すため、その方法を聞く目的でお姫様に会いに行きます。

数々の難関の旅をし、アトレーユはようやくお姫様に会うことができました。

でも、アトレーユはすでに敵である『無』に負けたところでした。

「僕は負けてしまった。この国は終わりです。」

そう話すアトレーユに対してお姫様はこんなふうにいます。

 

「いいえ、終わりではありません。あなたは既に充分役目を果たしました。あなたは本を読むバスチアンを惹きつけて、ここまで連れてきてくれた。あなたのここまでの旅そのものに意味があった。」

と言うんです。

 

発表会は今日という日にここで演奏するという目標です。

でも本当の目的は発表会にあるのではありません。

 

本当に価値があるのはここまで来るまでにやってきた練習、考えたこと感じたこと、その過程です。

その道のりなくして結果は生まれません。

全てが過程でありプロセスの中にあります。

 

上手いから発表するのではないのです。

うまく弾くのが発表会だったら誰が弾くのでしょうか。

私だったら弾きません。

 

皆さんは発表会という目標へ進むための過程、道のりを通して、以前の自分よりもより成長した自分にすでに出会っています。

 

もしお子さんに具体的に声をかけるとしたら、もちろん褒めるのは大前提ですが。

発表会当日にどのように演奏したか、ではなく

「ここまでこのように練習してきた、こういう工夫をしてきた、こういう生活をしてきた、だから今日の演奏があるんだよ。」

という褒め方がいいですね。

 

したがって、大人の生徒さんがご自身にかける言葉も同じです。

「あそこが失敗した。緊張してわからなくなった。もう私はダメだ。今日のことは忘れよう。」

ではなく、

ご自身は発表会に挑戦した勇者だという気持ちを持ち、自分を尊重した上で

「どのような練習があったか、日常生活において何が好ましかったか、または好ましくなかったのか。より良い自分になるにはどのように過ごしていけば良いのか。」

とご自身を労わりながら考えてみることです。

 

発表会でいつも通り弾ける人など100%いません。

だって、いつもと違う場所、人、ピアノ。

全然違う。

いつもと同じように弾けたらおかしいのです。

 

結果よりも、そこまでの『過程(プロセス)』、次の目標への『道のり』を大切に考えることでより成熟した人になる。

道のない到達点はありません。

過程のない結果などありません。

 

また次回の目標へ向かって『過程』を楽しんでいきましょう。

 

12月1日から始まる動画アップをお楽しみに!

指導にあたって

当時、講師かなざわの1歳の息子がピアノで楽しそうに遊ぶ姿に感激しました。これは、その当時のかなざわにとってピアノは『楽しい』ものではなくなっていたからです。

 

人は本来、ピアノが楽しくないとか苦手だとは思いません。しかし、ピアノが苦手で楽しくないと感じ、結局は諦めてしまう人は多いのが現実です。それを変えたいという思いが、ピアノ教室を立ち上げる原点となりました。

 

お子様にピアノを習わせたい親御さんや、自分自身がピアノを学びたいと思っている大人の方々は、レッスンに何を期待されていますか?

私がピアノを習っていた当時は「上手い」ことが全てでした。

それは音大に入っても変わりませんでした。

 

しかし社会に出て「上手い」人に価値があるというわけではない、ということがわかりました。

それはとてもショッキングなことでした。

そこにたどり着けば上手くいくものだと思って努力していたからです。

これは勉強,就職に対する考え方と同じだと思います。

 

『上手い』演奏は目指しません。

ピアノレッスンそして練習というプロセスを通して『質の良い学び方』を学びます。

「結果」は、『学んだ』後に勝手についてきます。

練習、学びの質が良ければ自然と「上手い」演奏になるかもしれません。

 

 私が準備できるのは、まずは何度でも間違えられる、どのような弾き方でも批判を受けない、つまり「安全だ」と感じる環境を作り生徒さんが本来の力を出せるようお手伝いをすることです。

音楽は非常に歴史が深く人間の叡智が宿っています。

それを演奏する楽しさというのは格別です。

しかし、やり方を誤ると体を傷つけます。

 

私自身が、小学校高学年の頃から体の痛みに苦しめられることになりました。

30代を過ぎてからは治療法の確立されていないフォーカルジストニアという脳神経の難病を発症しています。

痛みや病気の発生はその取り組み方にありました。

 

努力や根性、厳しい訓練がもたらす弊害を、ジストニアをきっかけに始めたメソッド「フェルデンクライス」から学びました。

フェルデンクライスは脳の可塑性を利用した科学的なメソッドです。

動きを通して脳を活性化します。

 

根性論でなく、何か有名な教育書に書かれているからでもなく、ただ脳がどのようにしたら活性化するのか、よりよく学べるのか、それをフェルデンクライスは体験をもとに気づかせてくれます。

 

私の指導の源はそこにあります。

指導とは、その演奏を成しとげるための『新しい選択肢』を提示するものです。

『理想』はおしつけません。

一人ひとりに寄り添い、 その人らしい演奏を尊重します。

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