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先生の選び方を考える(赤ちゃんの動きから)

赤ちゃんの脳の働きから、先生の選び方について書いてみます。

上の画像は、講師かなざわの息子(自閉症&知的障がい)小学5年が描いたものです。紙ではなくデジタルで描いています。デジタルで描けると汎用性が高いのがいいですね。

私たちは「癖」により、歩く・話す・運転するといった日常の動作をこなすことができます。

 

しかし新しい能力を手に入れたり、すでにある能力を伸ばすためには、自動的にできる動き、すなわち「癖」は役に立ちません。

 

「癖」による動きは、脳に新しい回路をほとんど生み出さないことが分かっています。

 

一方で動きに注意を向ける時には、脳は急速に新しい回路を作り出します。

このときの脳は、一秒間に180万回の回路を新たに作るとされています。

 

子供が新しいことを学び、発達するためには自分の動きに注意を向けることが

欠かせません。

 

とりわけ動く時には、「何を感じるか」に注意を向けることが必要です。

 

赤ちゃんを観察すると、周囲の世界を探り、その行為に没頭ししっかり注意を向けていることに気付くと思います。

 

例えば生後2か月の赤ちゃんが、ベッドで自分の手の動きを飽きもせずにじっと見ている時がそうです。

 

1歳くらいの赤ちゃんが、1メートル先のソファの上におもちゃを見つけた時はどうするでしょうか。

はいはいしていきソファにつかまり立ちをしておもちゃを取ろうとするでしょう。

 

手が届かなければつま先で立ち、それでも届かなければ膝を曲げて持ち上げ、ソファによじ登ろうとします。

 

膝がソファに当たると赤ちゃんの注意はおもちゃから自分の足へと移ります。

 

知っている動き「癖」ではソファに登っておもちゃを掴めないので今度は違った方法で挑戦するのです。

 

足を横に上げてもうまくいかないと足を下ろし自分に集中し、数秒間さっきの体験を噛み締めてからもう一度足を横に上げます。

 

膝はやはり曲げていますが、今回は腰は前に押し出します。

すると骨盤の位置が上がって足が軽くなり高く上がります。

 

赤ちゃんは膝がソファを超えて乗るのを感じると同時に、ソファに肘をつき、腕で体を引き寄せよじ登ることに成功します。

 

この時赤ちゃんの注意は、手が届くようになったおもちゃへと戻ります。

 

既に知っている方法ではうまくいかない時、「自分の動き」と「自分が感じていることに注意を向ける」必要性が生じます。

 

その時初めて脳は、ソファによじ登る方法を見つけるために必要な、新しい情報を受け取ることができるのです。

 

脳が将来、どのような経験を活用することになるかは予測できません。

 

ソファによじ登るために膝を高く上げることで脳が得た情報は、いずれ階段を登ったり、ジャンプをする時に使われるかもしれません。

 

ピアノやバイオリンなどの楽器を弾く器用さを発達させるかもしれません。

 

ここで大事なのは、子供の注意はそこにいる誰かに向けられているのではないということです

 

子供が自分で動く時、あるいは誰かに動かしてもらう時は、他人ではなく「自分」の感覚に気づき、神経を集中できることが重要です。

 

子供の注意を本人の動きに向けさせると、他の方法では手にすることのできない学びと変化への道が開けます。

 

手でものを掴んで何かをするのが難しい子供がいたとしましょう。

 

親はおもちゃのトラックの上に子供の手を乗せて前後に何度も動かしてやれば

その子が自分でトラックを動かすようになると考えるかもしれません。

 

ところが実際はそうならないことがほとんどです。

(すぐできるような発達の段階にあればうまくいくかもしれませんが)

 

子供が自分から動かそうとしていなかったり、体の感覚に注意を払っていなければ脳はほとんど変化をしません。

 

だから私は、ピアノを無理やり弾かせるようなことはしません。

つまり、身体感覚を鈍らせるようなことはレッスンでは行いません。

子供だけでなく大人の方にも共通して言えることです。

 

「疲れているのにやる(やらせる)」

「我慢してやる(やらせる)」

「無理にさせる」

「弾かなければこれがなくなる、という言い方で脅す」

 

上の全てが感覚を鈍らせます。

どんな状況でもレッスンの中ではやりません。

もちろん私の息子にも同じようにしています。

 

意味のある変化が起こるのは、自分の動きに注意を向け、それを感じ取る時。

動きに注意を向けること、何かを学びたいとき、より良くなりたいと考えるときは、これが不可欠です。

 

良い先生とは、こうしたことを「知っている」人です。

勉強して知っているのでなく、体験を通して知っている人です。

机上で学んだだけの知識では、すぐに考え方がブレてしまいます。

 

動きに注意を向けることができるようになるメソッド、『フェルデンクライス』を講師かなざわは8年以上学んでいます。

レッスン、演奏、子育てにも応用しています。


おすすめ動画

身体について学んでいる私は、ものすごく面白いと感じる動画なのですが、一般ウケはしないかもですね。(でも載せちゃう)

前置きが長いので1分26秒くらいからどうぞ。

 

呼吸をするときにどれだけの骨が繋がりを持って動いているか説明しているものです。

人間は身体のどこかを止めてはいけないんです。

静止するなんてあり得ないんです。

でも小さい頃からどうしても、それを学んでしまう。

それが癖となり、自分のやりたいことを狭めてしまいます。

これを作ったのは、あるお医者さんなのですが、フェルデンクライス、アレクサンダーなど「ソマティックエドゥケーション」と呼ばれるものに非常に熟知された方です。

指導にあたって

当時、講師かなざわの1歳の息子がピアノで楽しそうに遊ぶ姿に感激しました。これは、その当時のかなざわにとってピアノは『楽しい』ものではなくなっていたからです。

 

人は本来、ピアノが楽しくないとか苦手だとは思いません。しかし、ピアノが苦手で楽しくないと感じ、結局は諦めてしまう人は多いのが現実です。それを変えたいという思いが、ピアノ教室を立ち上げる原点となりました。

 

お子様にピアノを習わせたい親御さんや、自分自身がピアノを学びたいと思っている大人の方々は、レッスンに何を期待されていますか?

私がピアノを習っていた当時は「上手い」ことが全てでした。

それは音大に入っても変わりませんでした。

 

しかし社会に出て「上手い」人に価値があるというわけではない、ということがわかりました。

それはとてもショッキングなことでした。

そこにたどり着けば上手くいくものだと思って努力していたからです。

これは勉強,就職に対する考え方と同じだと思います。

 

『上手い』演奏は目指しません。

ピアノレッスンそして練習というプロセスを通して『質の良い学び方』を学びます。

「結果」は、『学んだ』後に勝手についてきます。

練習、学びの質が良ければ自然と「上手い」演奏になるかもしれません。

 

 私が準備できるのは、まずは何度でも間違えられる、どのような弾き方でも批判を受けない、つまり「安全だ」と感じる環境を作り生徒さんが本来の力を出せるようお手伝いをすることです。

音楽は非常に歴史が深く人間の叡智が宿っています。

それを演奏する楽しさというのは格別です。

しかし、やり方を誤ると体を傷つけます。

 

私自身が、小学校高学年の頃から体の痛みに苦しめられることになりました。

30代を過ぎてからは治療法の確立されていないフォーカルジストニアという脳神経の難病を発症しています。

痛みや病気の発生はその取り組み方にありました。

 

努力や根性、厳しい訓練がもたらす弊害を、ジストニアをきっかけに始めたメソッド「フェルデンクライス」から学びました。

フェルデンクライスは脳の可塑性を利用した科学的なメソッドです。

動きを通して脳を活性化します。

 

根性論でなく、何か有名な教育書に書かれているからでもなく、ただ脳がどのようにしたら活性化するのか、よりよく学べるのか、それをフェルデンクライスは体験をもとに気づかせてくれます。

 

私の指導の源はそこにあります。

指導とは、その演奏を成しとげるための『新しい選択肢』を提示するものです。

『理想』はおしつけません。

一人ひとりに寄り添い、 その人らしい演奏を尊重します。

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