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やりすぎ教育

5月に発売された出来立てほやほやの新書です。

予約して購入しましたのでレビューします。

 

全体的にはごちゃごちゃとしていて少し読みにくかったので、心に残った部分を以下に引用します。

 

やり過ぎ教育(エデュケーショナル・マルトリートメントという)となる行為は大人が子供を育てるために役立つ行為だと信じているか、一時的にやむを得ない行為だと考えているか、そうする意外に方法を知らない、あるいはないと思い込んでいる行為です。

 

力を持たない子供の立場に身を置いて振り返ることのできない「教育熱心な」大人が起こしやすい。

 

勉強や宿題の時間を過度に優先して、子供が遊んだり休憩したり睡眠を取ったりする時間を剥奪し、健康と発達を阻害する。

 

「子供はまだ判断力がないから親の自分が統制してやらせなければ成功できない」

と必死になり、思うように成果を上げるためには

「将来のために今を犠牲にするのは仕方ない」

「このままでは子供が不幸になる」

とエスカレートします。

もはや子供の苦しさは「我慢すべきもの」、子供が伸びないのは「自分の敗北」、子供が休んでいると「焦燥感にかられる」ようになってしまいます。

 

教育虐待をする親は心の底に将来への不安感や自分への劣等感を持っています。

自分が同じことを誰かにされたらどれほど不自由で辛いかを考える余裕はなく、むしろ逆に自分がそのようさせられて成功していたら幸せになっていたに違いないと思うことすらあります。

 

教育虐待をしてしまう親の特徴

■自分がいい親になりたい

■自分が認められたい

■子供を自分の思い通りの姿にしたい

■将来のために多少の犠牲(子供の一時的な不幸せ)は仕方ない

■子供の発達プロセスを知らない

■高収入、高学歴が幸せと考える

 

【女性差別と教育虐待の関係】

例えば仕事をやめたり、フルタイムの仕事を諦めたことにより、下げられたように感じる自分の価値を、子供を優秀に育てることで証明しようと頑張りはじめてしまいます。

夫よりも学歴や地位の高い位置に子供をつかせることができたら、仕事を中断したことも進学を諦めたことも合理化できるでしょう。

日本の女性を子供の教育に一心に向かわせるのは女性差別に対する反作用もあります。

 

少なくない数の親や教員が、無意識的、自動的に、高学歴高収入、より良い学校、より良い成績、より良い就職という、必ずしも子供の幸せを「保障しない」未来の目標へ向けて、子供の意向を尊重しないまま「強いて勉める=勉強」に取り組ませてしまうのです。

 

「子供を必要以上に褒めたり励ましたりして思う方向に動かそうとする」

「叱って何かに取り組む意欲を失わせてしまう」

「子供が行動を回避するように嫌な思いをさせる」

というような子供の尊厳を無視した振る舞い。

このような振る舞いをする人は、相手を変えるという正義を実行していると思い込んでいるので、そのことがどれほど相手の発達を阻害しているか気づきません。

 

子供たちは、いい子であること、成功することを求められています。

統計によると小学6年生の半数近くが、土日も含めて放課後に1日平均2時間以上何らかの勉強をしていますが、これはつまり、その分、日常の生活体験や遊びの時間、「自分で自由に考えて動く時間」が少なくなっているということです。

それで彼らの思考力や対人コミュニケーション能力の不足が指摘されるのは理不尽です。

 

自分で養育環境を作ることも情報収集することもできない子供たちは、育ててくれる人の価値観を信じて生きていくしかありません。

自分の身近な大人が良かれと思って提案してくることを拒否できません。

 

 

かつて悩める子供だった大人たちは社会がこのような状況だからこそ、逆説的に、この社会を生き抜いていくための少しでも「安全な」レールを自分の子供を乗せてあげたいと思うのでしょう。

悪循環が起きています。

子供たちは大人によって決められた予定調和の世界の中を走って、大人の想定範囲内で自分の希望を述べ、自分の意思ではなく大人の意思によって育てられていきます。

 

以上がレビュー、ではなく引用でした。

 

このほかにも、幼少時の遊びと発達との関わりなどいろいろ書かれています。

もちろん、やり過ぎ教育によりどんなことが子供に現れてくるのかも書いてあります。

教室にも置いてありますので、ご興味ある方は貸します。

 

ちなみに、これを書いているときに「小学6年生の勉強等の時間が2時間」をみてびっくりしました。

家に帰ってきてから、プラモデル作り、ペーパークラフト作り、絵を描く、動画を観る、外に遊びにいく、ときどきピアノ。。。と遊び三昧の自閉症小学5年の息子。

勉強は、触ったか触らないかわからないくらいにしかやっていません。

そんな風にほとんど勉強していなくても、国語と算数のテストでは概ね8割以上は取れています。

これ以上の勉強が必要とは思いません。

 

70代、80代になった時でも健康で自分のやりたいことができる、ピアノも体の痛みなしに弾ける、それが私の目指していることの一つです。

子供時代の無理は30代、40代以降に出てきます。

なんとしてでも頑張る必要が出てくるのはそのくらいの年齢です。

その大事な時に、踏ん張ることのできない体と心が出来上がっているならば、気の毒としか言いようがありません。

 

健やかな体、健やかな脳を育てるのが子供時代です。

 


4時間ぶっ続けでボーリングを投げまくる自閉症10歳

日曜に私と息子2人になるときは、どこかに遊びにいきますが、(そうでないと動画をたくさん観るし、ずっと私に質問をし続けるため)日焼けをしないで体を動かせるところを求めていました。これ以上シミを増やしたくないので。

 

そして、ボーリングだ!と思いつき行きました。

私を置いて、4時間ぶっ通しで投げ続けた自閉症10歳。

すごく暇だったので、仕事がしたいなと思ったり、毛布を持っていって寝て待っていればよかったと思った私でした。

 

でも無心で投げ続けていたので親としてはかなり楽でした。

日焼けをしたくない親御さんにはボーリングはおすすめです。

指導にあたって

当時、講師かなざわの1歳の息子がピアノで楽しそうに遊ぶ姿に感激しました。これは、その当時のかなざわにとってピアノは『楽しい』ものではなくなっていたからです。

 

人は本来、ピアノが楽しくないとか苦手だとは思いません。しかし、ピアノが苦手で楽しくないと感じ、結局は諦めてしまう人は多いのが現実です。それを変えたいという思いが、ピアノ教室を立ち上げる原点となりました。

 

お子様にピアノを習わせたい親御さんや、自分自身がピアノを学びたいと思っている大人の方々は、レッスンに何を期待されていますか?

私がピアノを習っていた当時は「上手い」ことが全てでした。

それは音大に入っても変わりませんでした。

 

しかし社会に出て「上手い」人に価値があるというわけではない、ということがわかりました。

それはとてもショッキングなことでした。

そこにたどり着けば上手くいくものだと思って努力していたからです。

これは勉強,就職に対する考え方と同じだと思います。

 

『上手い』演奏は目指しません。

ピアノレッスンそして練習というプロセスを通して『質の良い学び方』を学びます。

「結果」は、『学んだ』後に勝手についてきます。

練習、学びの質が良ければ自然と「上手い」演奏になるかもしれません。

 

 私が準備できるのは、まずは何度でも間違えられる、どのような弾き方でも批判を受けない、つまり「安全だ」と感じる環境を作り生徒さんが本来の力を出せるようお手伝いをすることです。

音楽は非常に歴史が深く人間の叡智が宿っています。

それを演奏する楽しさというのは格別です。

しかし、やり方を誤ると体を傷つけます。

 

私自身が、小学校高学年の頃から体の痛みに苦しめられることになりました。

30代を過ぎてからは治療法の確立されていないフォーカルジストニアという脳神経の難病を発症しています。

痛みや病気の発生はその取り組み方にありました。

 

努力や根性、厳しい訓練がもたらす弊害を、ジストニアをきっかけに始めたメソッド「フェルデンクライス」から学びました。

フェルデンクライスは脳の可塑性を利用した科学的なメソッドです。

動きを通して脳を活性化します。

 

根性論でなく、何か有名な教育書に書かれているからでもなく、ただ脳がどのようにしたら活性化するのか、よりよく学べるのか、それをフェルデンクライスは体験をもとに気づかせてくれます。

 

私の指導の源はそこにあります。

指導とは、その演奏を成しとげるための『新しい選択肢』を提示するものです。

『理想』はおしつけません。

一人ひとりに寄り添い、 その人らしい演奏を尊重します。

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年度替わりの際に、進学等により多少の空きが出ることがありますが、ほぼ定員いっぱいで、生徒さんを増やすことがなかなかできない状況です。

 

従来の精神論に頼らない科学的な根拠に基づいた指導法をもっと広げ、本質的な意味で生徒さんの人生の質をあげることに貢献していきたいと考えています。

 

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