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学ぶためにまず必要なこと

シュタイナー教育の講座で知り合った、優秀なピアニストの友達がいます。

彼女は私と同じような指の動きにくさの症状があるようでした。

私が絶賛している「ディスポキネシス」の資格保持者でチェリストの福富祥子先生のことを話すと、ぜひレッスンに行ってみたいとメッセージを送ってきました。

 

福富先生のレッスンというのは、微細な感覚の変化を感じるもので、急に速く弾けるようになりましたとか、治りました、みたいなものではありません。

私が初めてレッスンを受けた時は「確かになんとなく少し楽だったような気のせいだったような」という淡い感覚でした。

 

そんな不確かなものでもやってみようと思ったのは、ジストニアという難病を克服したいし、「真実」に近づけるような感覚があったからです。

そして興味を持ったり何か良いと紹介されたことについて私はとにかく「やってみる」タイプでした。

 

先述の友達に関しては、ピアノについてそこまで困っているようには見えなかったので、続けるのは難しいだろうなと感じながらも、先生に関してのメッセージを送りました。

そしてその2年後、彼女は私にメッセージをくれました。

福富先生の元には通い続けていて、指の調子も前より良い、紹介してくれてありがとう、一度お茶しませんか、という内容でした。

 

彼女は名門音大とその研究科で学び、かつ輝かしい経歴も持つピアニストです。

もちろん優れた才能も持ち合わせていると思いますが、その背景に「学び方の素晴らしさ」があるのだなと思いました。

 

不確かな要素があるものでも

「やってみる」

そしてそれを

「長期間継続する」

という学ぶためになくてはならない2つのことが彼女にははっきりと明確に存在していました。

 

少し逸れますが、人は痛みや努力が好きという話。

練習しすぎて爪が割れて血が出たとか、練習しすぎてどこを痛めたとか、練習時間こんなに長いんですとか、睡眠時間削ってもやりましたとか、そういう痛みや努力の話は良い評価をされてしまうことが多いです。

 

かくいう私も、中学くらいの時は練習の後に痛くなった腕を見ながら、こんなに努力したわ!と「悦」に入っていたものです(中2病?笑)

当時の私がフェルデンクライスを知っていればと悔やまれます。

 

 話を戻します。

つまり、感覚を研ぎ澄ませていくような、本当に脳に効く学習よりも、目に見える「痛い!」とか「たくさんやった!」「何回弾いた!」など努力、根性、反復による学習が良いと思っている人が圧倒的に多いです。

 

学校の宿題など、それの最たるものだと思います。

訳のわからない反復学習(大量),私は嫌いです。

 

でも目に見えにくい、微細な感覚世界の学習法に、ピアニストの友達は価値を感じ、継続し続けているのです。

 

そして彼女は福富先生のレッスンの中でフェルデンクライスを知り、そのレッスンも始めました。

彼女なら、学習を続けて演奏や生徒さんの指導にどんどん生かしていくことができるでしょう。

 

フェルデンクライスメソッドは、物理学者のフェルデンクライス博士が発案したメソッドです。

フェルデンクライス氏は

「(説明しても)どうせわからないのだから、とにかく身体で感じなさい」

という基本姿勢を持っていました。

まずは、体験する、感じる、やってみる、ということです。

 

それは自分自身が感じてみてわかりました。

教えられてわかるものではありません。

 

ちなみにフェルデンクライスメソッドというのは、日本では認知度が極端に低いですが、フランスやドイツでは保健医療の対象になっているくらい盛んで科学的な立証もされているメソッドです。

 

日本ではほとんどが理学療法で、例えば五十肩だったり何かのリハビリでは理学療法士さんや作業療法士さんのお世話になった方も多いと思います。

フランスやドイツでは、こうした時にお医者さんに理学療法かフェルデンクライスのどちらで治療したいかと聞かれて選べる、そこまで進んでいるのです。

 

フェルデンクライスを何か怪しいものだと思ったり宗教的なものだと思っている人がたまにいますが(私の母です)、これ以上はないというくらい科学に裏付けされているメソッドです。

 

何かを学習してそれを習熟させたいと思った時、学び方が上手い人は、良いと言われることをまず「やります」。

 

やらないうちから「効果があるのかわからないから」「これとこれがどのようにつながるかわからないから」などと難癖つけて始めない人は、学ぶことはできません。

この世界のほとんどが、やってみないとわからないものからできていると私は思います。

 

そしてやり始めたら効果のあるなしに関わらず長期間、当たり前のように継続できる人が、学習内容を向上させていける人です。

 

まずは「やってみる」そして「続ける」。

これが学習を進めるための一歩です。

指導にあたって

当時、講師かなざわの1歳の息子がピアノで楽しそうに遊ぶ姿に感激しました。これは、その当時のかなざわにとってピアノは『楽しい』ものではなくなっていたからです。

 

人は本来、ピアノが楽しくないとか苦手だとは思いません。しかし、ピアノが苦手で楽しくないと感じ、結局は諦めてしまう人は多いのが現実です。それを変えたいという思いが、ピアノ教室を立ち上げる原点となりました。

 

お子様にピアノを習わせたい親御さんや、自分自身がピアノを学びたいと思っている大人の方々は、レッスンに何を期待されていますか?

私がピアノを習っていた当時は「上手い」ことが全てでした。

それは音大に入っても変わりませんでした。

 

しかし社会に出て「上手い」人に価値があるというわけではない、ということがわかりました。

それはとてもショッキングなことでした。

そこにたどり着けば上手くいくものだと思って努力していたからです。

これは勉強,就職に対する考え方と同じだと思います。

 

『上手い』演奏は目指しません。

ピアノレッスンそして練習というプロセスを通して『質の良い学び方』を学びます。

「結果」は、『学んだ』後に勝手についてきます。

練習、学びの質が良ければ自然と「上手い」演奏になるかもしれません。

 

 私が準備できるのは、まずは何度でも間違えられる、どのような弾き方でも批判を受けない、つまり「安全だ」と感じる環境を作り生徒さんが本来の力を出せるようお手伝いをすることです。

音楽は非常に歴史が深く人間の叡智が宿っています。

それを演奏する楽しさというのは格別です。

しかし、やり方を誤ると体を傷つけます。

 

私自身が、小学校高学年の頃から体の痛みに苦しめられることになりました。

30代を過ぎてからは治療法の確立されていないフォーカルジストニアという脳神経の難病を発症しています。

痛みや病気の発生はその取り組み方にありました。

 

努力や根性、厳しい訓練がもたらす弊害を、ジストニアをきっかけに始めたメソッド「フェルデンクライス」から学びました。

フェルデンクライスは脳の可塑性を利用した科学的なメソッドです。

動きを通して脳を活性化します。

 

根性論でなく、何か有名な教育書に書かれているからでもなく、ただ脳がどのようにしたら活性化するのか、よりよく学べるのか、それをフェルデンクライスは体験をもとに気づかせてくれます。

 

私の指導の源はそこにあります。

指導とは、その演奏を成しとげるための『新しい選択肢』を提示するものです。

『理想』はおしつけません。

一人ひとりに寄り添い、 その人らしい演奏を尊重します。

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年度替わりの際に、進学等により多少の空きが出ることがありますが、ほぼ定員いっぱいで、生徒さんを増やすことがなかなかできない状況です。

 

従来の精神論に頼らない科学的な根拠に基づいた指導法をもっと広げ、本質的な意味で生徒さんの人生の質をあげることに貢献していきたいと考えています。

 

そこで、指導方針に共感し、一緒に教室の運営に携わってくださるピアノ講師の方を募集します。

 

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