当たり前のように子供にかける声がけで、かえって機能的な姿勢を失うことがあります。
画像は、小学1年の生徒さんで左が最初に弾いてもらったとき、右が私の指示した動きのあとで弾いてもらったものです。
姿勢に関する指示は何一つしていません。
私と一緒に行ったフェルデンクライスの動きによって、このほうが快適だと感じたから、自らあとのほうの姿勢を選んで座ったのです。
「姿勢が悪い」とよく聞きますが、「悪い姿勢」というものは実はありません。あるとすれば、動きがとまっていて、そこから必要なときに動けない姿勢、それは不適切な姿勢と言えるでしょう。
つまり、動きの中にある姿勢ならそれは悪くないのです。
姿勢をよくする目的はなんでしょうか。
別に誰かの話をよく聴いてると思わせるためのものではないですよね。
姿勢のよさというのは『動きやすい、カラダを傷めない』目的で存在していると思います。
私達は小さい頃から
「背をピンとしなさい」
「背筋をまっすぐにしなさい」
「胸をはりなさい」
などと言われ続けてきました。
残念なことに、上の言葉すべてが姿勢に関して悪影響を与えてしまう可能性があります。
どの言葉も不確かすぎて、それを言われた子供は筋肉を使うことによってその行動を実行しようとするからです。
姿勢を維持しようとして不適切な筋肉を使うとき、カラダのあちこちの部分がうまく動けなくなります。
見た目まっすぐだけど、なんか美しくなくてなめらかに動けず、そのうちに痛みが出てくる姿勢の完成です。。。いろんな病気も生まれてきます。
それではまず、画像の最初のような、いわゆる猫背のような姿勢がなぜ生まれるのでしょうか。
私たちの進化の過程をたどるとわかります。
人の祖先が今でいう猿のような生活をしていた時代、人は木の上で生活をしていました。
そこで身につけた反射がありました。
落下から身を守るためのある反射です。
落下した瞬間に地面に叩きつけられる前に、思い切りカラダをまるめる反射です。
カラダが丸まっていなければ、落下して地面に叩きつけられると大きなダメージを受け死ぬ可能性は高まりますが、まるまって落下することにより、ダメージを最小限にすることができるのです。
つまり、自分の身を守りたいと思ったときには、人はカラダを丸めるということです。
疲れているとき、不安を感じるとき、怖いとき、イヤな気分がするときなどは、私たちは実を守るためにカラダを内側にまるめようとする特性を持ち合わせています。
例えばうつ病の人は、ほとんどの場合カラダはまるまっています。(背はまっすぐに、というしつけから強い癖をつけて、機能的でないまっすぐな姿勢をしている人も見かけますが。)
こうしたカラダをまるめるというある意味適切で自然な反応を、見た目がまっすぐでないからと言って無理やり『正しい姿勢』にさせようとしたら、その人の人生の質が下がります。
一番簡単なのは、姿勢に関しては何も言わないことです。
もし、積極的に何か声をかけたいのであれば、「長い」という表現方法がよいです。
「〇〇ちゃんの首は長いです。背骨も長いです」こういう表現なら、少なくとも悪影響は起こらず、そのときに過度な姿勢の癖がついていなければ、機能的な姿勢になっていく可能性もあります。
もちろん、落下の防衛反応のような姿勢が癖となって固定するようになれば、様々な弊害が出てきます。でもそれと同じくらい、不適切な筋肉を使ったまっすぐな姿勢も弊害を及ぼすのです。
画像の生徒さんに行ったのはフェルデンクライスの動きでした。
機能的な動きが回復し、不安や恐れ、イヤな気分がなければ姿勢は自然とあるべきところにきます。
逆に考えれば、嫌な気分のときは姿勢が悪くなるから、よく学べないということでもありますね。
だから学ばせたいときは安全で快適な環境である必要があるんです。
無理やりやらせたり、叱ったり、怒りながら子供に学ばせても、不適切な姿勢ばかり身について学びは進みません。
適切な姿勢になり、本来の動きを取り戻した画像の彼女は、最初に弾いたときと比べて指の動きがよくなり、音も良い音が出せるようになりました。
でも、最初の姿勢も悪いわけではなく、防衛反応です。弾きたくないと思ったのかもしれないし、緊張したのかもしれない。
機能的な姿勢は、どこにも無理がなく美しく見えることもわかります。
姿勢のことに触れないながらも、いつのまにか機能的な姿勢を獲得できるように生徒さんを導くこと、これも私のやりがいの一つになっています。
結果的にピアノ演奏がよくなるからね。
【生徒さん募集&レッスンの空き状況】
レッスンの空き状況を更新しました。
以下、2019年3月16日現在の状況です。
- 生徒さんの募集を継続しています。レッスン枠が残りわずかとなっております。お早めにご利用くださいませ。
- 募集しているコースは以下となります。『子供のレッスン』『大人のレッスン』『発達障がいその他の障がいをもつお子さまのレッスン』。
- 『子供のレッスン』『発達障がいその他の障がいのお子さまのレッスン』:今年度の募集を終了しました。空きが出ましたらお知らせいたします。
- 『大人のレッスン』『身体の調律コース』『面談セッション』:午前中または午後の早い時間帯にいらっしゃることができるようでしたら、お引き受けできます。(単発のレッスンのみとなります)
【料金はこちら。】
【レッスンのご予約、ご質問等はこちら。】
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さちピアノ教室はおかげさまで、個人のピアノ教室としては異例のぶるいの多くの生徒さんを持ち、安定した運営を続けています。
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