障がいがある子を持つ親は、変容の機会を与えられると思います。
それまでの、親の持つかたくなな価値観や偏見、見栄。学歴信仰。職業観。
地域社会、同学年・同年代の他の親たちからの評価。横並び意識。
“普通”“中庸”から逸脱することへの軽い恐怖感。
子どもと接するときににじみ出ていた支配欲、操縦欲。
それらが時間をかけて溶けていきます。
子どもが抱えた、生きづらさを前にして学び直しをせまられます。
自らの成功体験から、子どもの『失敗』という傷口に、塩を塗り込むかのような無造作な言動をしていたことに気付かされます。
葛藤の末、子どものありのままの姿を直視するようになり、他人からの評価をはねのけて、支援欲、伴走欲に目覚めていきます。
話を最後まで聴けるようになっていく。
素直にうなづけるようになる。おうむがえしができるようになる。
自然な会話のキャッチボールが出来るようになる。
虚飾や虚栄から解放されていく・・・。
おかげで私は、生徒さんに対して、出来が良いから素晴らしいとか、ただ上達だけを目指して良い賞を取らせようとか、そういう思考が全くなくなりました。
目指すのは、ピアノレッスンを通じて生徒さんの生活の質があがり、良い自己イメージが育つこと。
風が吹いても折れない、竹のようなしなやかさで生きていける人を育てること。
結果は自ずとついてきます。