ある重い障がいのある生徒さんは、小学2年生の時に教室に通うようになりました。
お母さんは、「両手で弾けるようにならなくてもいいので、右手で好きな曲を弾けるようになってくれれば…」とおっしゃっていました。
ピアノに触ってみると、「ド」の次に続けて「ソ」を弾くことができません。
「ド」「レ」「ミ」「ファ」「ソ」と全部数えてからでないと、「ソ」を打鍵することができないのです。
動きを見てすぐに感じたのが、「空間認識能力」に困難があるということでした。
何ヶ月もこうした状態が続き、「ピアノを弾くことは無理なのだろうか…」と思うこともありました。
でも・・・・できるようになったのです。
両手で演奏できるまでになって、大好きなとなりのトトロの「さんぽ」なども弾けるようになりました。
不可能と思われることが可能になったのです。お子さん自身が、道のない山に道を作ったのだと感じました。