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楽譜を読む、文字を読むことが苦手なお子さんに『見え方』という視点で探る

文字や楽譜を読んだり、書いたりすることが苦手な生徒さんがいます。

「何回も繰り返したら出来る」「頑張ったら出来る」「しっかり見たら出来る」と言いたくなる方もいらっしゃると思います。

しかし大抵の場合、そのお子さんは、「繰り返し」の学習に耐えてすでに十分に頑張っていることが多いです。

 

【どうして、読むことが難しいのか】

理由はいろいろあり、お子さんによっても異なるのですが、読むことを難しくしている理由を一つ書いてみたいと思います。

「読む」ためには「見る」ことが必要です。「見る」ためには「目」を使います。目から入った情報を脳が処理します。その結果が、「見え方」です。どのように見えているか、ということです。「視知覚」とも言います。

 

【アーレンシンドロームという視知覚障害をご存知ですか?】

アーレンシンドロームとは、イギリスの教育心理学者のHren Irlenが見つけた視知覚障害の一つで光に対して過敏に反応し、光がまぶしい、文字がよく見えない、目が疲れるなどの症状があります。アーレンシンドロームにより学習障害の原因になっている場合があります。対策はその人に合ったカラーの透明フィルムを通して文字を見たり、その人に合ったカラーレンズの メガネで「見る事の困難」を解決出来る場合があります。

 ≪アーレンシンドロームの特徴≫

【読解問題】

誤読する、単語や行をとばしてしまう、読む速度が遅い、集中して読む時間が短い、読んでいる場所を見失う、同じ場所を読んでしまう

 

【不快感】

明るい光や蛍光灯などの不快感、夜の車のヘッドライトに不快感、読み取りが困難になるため注意集中が低下する、注意欠陥障害など他の条件を持っているように見えることから誤診される可能性がある。

 

【書字の問題】

模写の間違いが生じる、不均一な間隔・文字サイズ。

 

【身体の問題】

身体のぎこちなさがある(微細運動、粗大運動に)、ボールをキャッチする事がむずかしい、階段やエスカレータを使うときつまずきはしないかと不安になる、距離の判断がむずかしい。

【レッスン風景から『背景の色』と『文字の色』について気づいたこと】

「白い背景」に「黒い文字」だと、見えにくいお子さんがいます。通常の教科書や本は「白い背景」に「黒い文字」ですよね・・・

 楽譜に困難を抱えていた、ある生徒さん。エピソードを伺いながら、もしかして・・・と、この「Reading Ruler(魔法の定規)」という道具を試してみたところ「“黄色”が一番見やすい!」と言いました。

そのお子さんにとっては、「黄い背景」に「黒い文字」が見やすかったのです。

 

 

この生徒さんは、音符その他の記号が見えにくいという視覚の問題から、学ぼうとする意欲がなくなっている可能性がありました。

「出来ない」が「出来るかも!」に変わるそのキッカケに『見え方』という視点があります。

 

見え方、聞こえ方などの感覚は、人と比べることが難しいので、「普通は…」ということが分かり難いです。なので、お子さんに「見えにくい?」と聞いても「べつに」とか「普通」と答えるかもしれません。

 

「何回も繰り返したら出来るから」「もっと頑張りなさい」「しっかり見なさい」よりも、「どんなふうに見えているのかな…?」「見えにくいかな? 見えやすいかな?」と視点を変えてみていただくと、やろうとしているけど、上手くいかない姿、頑張っている姿が見えてくるかもしれません。

 

というわけで、最近、コピー用紙を色のついたものにしています。いろんな色で試してみたいと思っています。

 

参考までに

☆Reading Ruler  魔法の定規☆ 

私が持っているのは10色です。

 

「見え方」を調べる方法はいくつかあります。専門機関で行っています。情報が必要な方はお問い合わせください。


楽譜に上記の魔法の定規を置いた様子。

アーレンシンドロームと診断されていない私でも、とても見やすくなりました。

目の疲れやすさが違います。私も見えにくい要素は持っているみたいです。


指導にあたって

当時、講師かなざわの1歳の息子がピアノで楽しそうに遊ぶ姿に感激しました。これは、その当時のかなざわにとってピアノは『楽しい』ものではなくなっていたからです。

 

人は本来、ピアノが楽しくないとか苦手だとは思いません。しかし、ピアノが苦手で楽しくないと感じ、結局は諦めてしまう人は多いのが現実です。それを変えたいという思いが、ピアノ教室を立ち上げる原点となりました。

 

お子様にピアノを習わせたい親御さんや、自分自身がピアノを学びたいと思っている大人の方々は、レッスンに何を期待されていますか?

私がピアノを習っていた当時は「上手い」ことが全てでした。

それは音大に入っても変わりませんでした。

 

しかし社会に出て「上手い」人に価値があるというわけではない、ということがわかりました。

それはとてもショッキングなことでした。

そこにたどり着けば上手くいくものだと思って努力していたからです。

これは勉強,就職に対する考え方と同じだと思います。

 

『上手い』演奏は目指しません。

ピアノレッスンそして練習というプロセスを通して『質の良い学び方』を学びます。

「結果」は、『学んだ』後に勝手についてきます。

練習、学びの質が良ければ自然と「上手い」演奏になるかもしれません。

 

 私が準備できるのは、まずは何度でも間違えられる、どのような弾き方でも批判を受けない、つまり「安全だ」と感じる環境を作り生徒さんが本来の力を出せるようお手伝いをすることです。

音楽は非常に歴史が深く人間の叡智が宿っています。

それを演奏する楽しさというのは格別です。

しかし、やり方を誤ると体を傷つけます。

 

私自身が、小学校高学年の頃から体の痛みに苦しめられることになりました。

30代を過ぎてからは治療法の確立されていないフォーカルジストニアという脳神経の難病を発症しています。

痛みや病気の発生はその取り組み方にありました。

 

努力や根性、厳しい訓練がもたらす弊害を、ジストニアをきっかけに始めたメソッド「フェルデンクライス」から学びました。

フェルデンクライスは脳の可塑性を利用した科学的なメソッドです。

動きを通して脳を活性化します。

 

根性論でなく、何か有名な教育書に書かれているからでもなく、ただ脳がどのようにしたら活性化するのか、よりよく学べるのか、それをフェルデンクライスは体験をもとに気づかせてくれます。

 

私の指導の源はそこにあります。

指導とは、その演奏を成しとげるための『新しい選択肢』を提示するものです。

『理想』はおしつけません。

一人ひとりに寄り添い、 その人らしい演奏を尊重します。

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